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乳酸菌が花粉症・アレルギー緩和に役立つってほんと?どんな種類の乳酸菌がいい?

「乳酸菌が体にいい」というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
乳酸菌には腸内環境を整える働きがあり、それが美容や健康にプラスの効果をもたらすといわれています。

しかし、花粉症をはじめとするアレルギーの改善に乳酸菌が役立つという話は、あまり知られていないかもしれません。
そこで今回は、乳酸菌の花粉症やアレルギーへの有用性についてご紹介します。

目次✍

縁の下の力持ち?意外と知らない、乳酸菌のすごい働き
花粉症の緩和に乳酸菌が効くメカニズム
花粉症の人は年々増加しているという事実!花粉症がここまで増えた理由とは?
乳酸菌を毎日の食生活に!花粉症・アレルギー緩和には「植物性乳酸菌k-2」を

縁の下の力持ち?意外と知らない、乳酸菌のすごい働き

◆乳酸菌って何?

乳酸菌とは、糖類を発酵させて乳酸を生成する細菌のこと。
簡単にいえば、食品を発酵させる過程で生じる菌のひとつです。

乳酸菌を多く含むのは、ヨーグルトやフレッシュチーズ・サワークリーム・発酵バター・発酵ウィンナー・漬物類・味噌・醤油・清酒・ワインなど。
いずれも、製造過程に発酵処理を行う食品です。

乳酸菌の体への影響

もともと乳酸菌は食品の加工や貯蔵に用いられてきましたが、人の体に対しても以下のように有用な働きをすることがわかっています。

・腸内細菌のバランス改善
・腸内環境の改善
・便通の改善
・感染からの防御
・発がんリスクの低減
・血圧の降下
・血中コレステロールの低減
・免疫の調節
・アレルギー症状の改善

上記のようなさまざまな嬉しい効果が期待できることから、乳酸菌を用いたサプリメント・飲料などが販売されています。

花粉症の緩和に乳酸菌が効くメカニズム

前項でご紹介した体への作用のなかで、今回注目したいのは、最後のふたつの項目「免疫の調節作用」と「アレルギー症状の改善作用」です。

そもそもなぜアレルギー反応が起こるの?

私たちの体には、細菌やウィルス・ほこり・ダニ・花粉・食物といった「異物」が入ってきたときに、それを感知し排出しようとする防御システムが備わっています。これが「免疫」と呼ばれるもので、その大部分は腸管内に配置されています。

例えば、花粉が体内に入ってくると、体はまずそれを受け入れるか排除するかの判断をします。「排除しよう」となった場合、体内ではIgE抗体というものがつくられます。すると、再び同じ物質が体内に入ってきた際に、くしゃみや鼻水・涙を出すことで花粉が体内に入らないよう防御するようになります。

これが、アレルギー反応と呼ばれるものです。つまり、アレルギーとは、体に入ってきた異物に免疫が過剰に反応している状態だといえます。

乳酸菌がアレルギー改善に役立つ理由

腸内の乳酸菌が少なくなって腸内環境が悪化すると、Th2細胞というアレルゲン排除に関係した免疫細胞が活性化し、花粉症の目のかゆみや鼻づまりなどを引き起こすlgE抗体をつくりだします。

乳酸菌を摂取し、腸内環境が整うと、Th2細胞の働きを制限するTh1細胞とのバランスが保たれ、アレルギーを引き起こすlgE抗体の過剰反応を抑制します。
lgE抗体の過剰反応が抑えられることにより、アレルギー症状の予防・緩和が期待できます。

近年の実験では、乳酸菌の摂取による花粉症の発症遅延・症状緩和などの効果も多数報告されています。

3人に1人が花粉症という事実!花粉症がここまで増えた理由とは?

最近では、花粉症ではない方がめずらしいほど、花粉症の人が多いですね。

花粉によるアレルギー性鼻炎推計患者数

こちらの図を見ていただくとわかるかと思いますが、花粉症の人は年々増加傾向に。今はまだかかっていなくても、いつ花粉症の魔の手が伸びてくるかと毎年ヒヤヒヤしている方は多いのではないでしょうか。

 

スギ花粉の飛散量は年々増加傾向

花粉症の最大要因ともいえるスギ花粉の飛散量が年々増加傾向にあることは、アレルギー患者の増加・アレルギー症状の悪化に拍車をかけているといえます。毎年毎年「今年のスギ花粉の飛散量は、去年の○倍です」というニュースを見て、「なんでそんなに増え続けるんだ……!」と不思議に思いませんか?

実は、これには理由があります。スギの花粉が本格的に生産されるのは、樹齢30年以降。現在、日本の森林面積の約18%はスギの人工林であり、その多くが植えられてから30年あまりを経過しています。つまり、現在の日本のスギの木の多くは、花粉の生産まっさかりの時期にあるというわけです。また、日本はスギの木がとても多いというのも事実です。

乳酸菌を毎日の食生活に!花粉症・アレルギー緩和には「植物性乳酸菌k-2」を

アレルギーを引き起こす外的要因を減らすのは、個人レベルでは困難ですが、食生活で免疫バランスを崩さない工夫をすることは可能です。前述した免疫バランスの強化に役立つ乳酸菌食品を積極的に摂取するよう心がけましょう。

乳酸菌というと、ヨーグルトやチーズなどの乳製品を想像する方が多いかもしれませんが、実は乳酸菌は乳製品以外の食品にも含まれていますし、乳酸菌には大きく分けて動物性乳酸菌と植物性乳酸菌の2種類があります。

 

動物性乳酸菌

動物性乳酸菌は、乳の中で生育する乳酸菌のこと。
つまり、牛乳を介してつくられたヨーグルトやチーズに含まれているものを指します。具体的には、ブルガリア菌やLG21乳酸菌などがあげられます。動物性乳酸菌には高い整腸作用が認められています。

 

植物性乳酸菌

植物性乳酸菌は、穀物や野菜に生息する乳酸菌のこと。食品によって菌種が異なり、ぬか漬けのぬかに含まれるL・プランラルムや、味噌に多く含まれるT・ハロフイルス、酒粕由来のK-2などがあります。

このようにさまざまに細分化される乳酸菌のなかでも、特に花粉症などのアレルギー症状の緩和に有効性が高いとされているもののひとつが、酒粕から分離した植物性乳酸菌K-2です。

乳酸菌

植物性乳酸菌K-2を摂取するには、酒粕を使用した食品や料理を日頃の食事に取り入れてみましょう。
具体的には、甘酒や粕汁・粕漬け・日本酒などです。

まとめ

いよいよ花粉症が本格化する季節。
アレルギー症状緩和のポイントは、日頃の食生活で免疫バランスを整えること。
症状がひどくならないうちに、乳酸菌を毎日摂るなどご自身でできる対策を始めましょう。

監修

松尾 有希子(まつお ゆきこ)先生

松尾 有希子(まつお ゆきこ)先生 さきづか駅前おはな診療所院長

聖マリアンナ医科大学」を卒業後、「同大附属病院耳鼻咽喉科学教室」に入局。結婚を機に渡米。
2012年、新小岩すばるクリニックの院長を経て、
2016年には三茶おはな耳鼻科の院長に就任。
さらに2019年2月、新しい医療の形を目指して、「ささづか駅前おはな診療所」を オープン予定。三世代が安心して利用できるクリニックを目指している。
院名の「おはな」には、「お鼻」と「お花」、そしてハワイ語で家族を表す「オハナ」の意味が込められている。

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