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辛い「生理痛」、実は「月経困難症」かも? 痛みの原因と効果的な緩和方法について【産婦人科医監修】

生理でおなかや頭が痛くて何もできない……そんな酷い症状に悩まされていませんか? 
もしかすると、それは生理痛ではなく「月経困難症」かもしれません。
月経困難症とは、治療が必要なほどの強烈な吐き気や頭痛・下痢などが生理中に起きる症状のこと。

今回は、生理痛と月経困難症の違い、痛み止めやピルの知識を、産婦人科専門医の樋口壽宏先生に教えていただきました。

目次✍

生理痛(月経随伴症状)と月経困難症の違いは何?
月経困難症は「原発性」「続発性」の2種類がある
辛い月経困難症になりやすい女性の特徴は?
痛み止めは“事前”に飲む!? 痛み止めとの「正しい付き合い方」
「ピル」は生理中のパフォーマンスを上げる女性の味方!
かかりつけの婦人科を見つけておこう

 

生理痛(月経随伴症状)と月経困難症の違いは何?

多くの女性が経験する、生理中の不調。
子宮の痛みや吐き気・頭痛を総称する「生理痛」は、医学的には「月経随伴症状」と呼びます
そして、治療が必要なほどの重い症状を「月経困難症」と呼びます
酷く重たい生理痛に悩んでいる方は、月経困難症を疑うと良いでしょう。

【豆知識】生理は医学用語ではない

そもそも生理は、正式な医学用語ではありません(医学用語は「月経」)。
生理という言葉が出始めたのは1920年代で、言葉としては比較的新しいものなのです。
しかし、本記事では、多くの現代女性にとって馴染みのある「生理」「生理痛」、そして一般的な生理痛ではない強い痛みを「月経困難症」としてご紹介したいと思います。

 

月経困難症は「原発性」「続発性」の2種類がある

酷い生理痛≒月経困難症は、2種類に分けられます。

それぞれの特徴をご紹介します。

1.原発性(機能性)の月経困難症

原発性の特徴は、月経初日や2日目の症状が辛く、3日頃からはスッとよくなるという点にあります。

実はこの原発性の月経困難症の原因は、未だはっきりとしていません。
恐らくですが、子宮の入り口が狭いことが原因で、経血を押し出す際に痛みが発生するのだと考えられています。
年齢を重ねる、もしくは出産を経験して子宮口がある程度緩くなると、症状が軽くなるという説もあります。

「生理が始まったとき(初潮のころ)は、あまりの痛さに寝込んでいたり吐き気がしたりしていた。でも、年齢を重ねるにつれて症状がやや和らいでいった」
そんな感覚のある方は原発性の月経困難症の可能性が高いと言えます。

お腹を抑える女子高生
▲原発性は、初経の時期から痛みがきついのが特徴

2.続発性(器質性)の生理痛

続発性の月経困難症は、月経初日よりも3日・4日目の痛みが酷くなるのが特徴です。
子宮内膜症や子宮腺筋症・子宮筋腫といった、何らかの病気に原因があるものを「続発性」と定義します。

「初潮のころの痛みはさほどなかったのに、20代・30代と年を重ねるにつれてだんだん痛みが酷くなってきた」
そんな感覚のある女性は、続発性の月経困難症である可能性が高いと言えます。

月経の後半の症状が辛い方は、何かしらの病気を抱えている可能性が高いため、婦人科の受診を強くおすすめします。

ソファにもたれる女性
▲年齢を重ねるにつれて症状が重症化していたら、要注意!

 

辛い月経困難症になりやすい女性の特徴は?

酷い生理痛(月経困難症)になりやすい女性の特徴を強いて挙げるとすると、以下の2点になります。

1.ストレスを感じやすい環境にいる

ストレスを受けると自律神経のバランスが乱れ、プロスタグランジンという炎症物質が過剰分泌されることがあります。
このプロスタグランジンは、子宮を収縮させたり、腹痛を引き起こしたり、頭痛を発症させたりします。

2.喫煙環境にいる

たばこに含まれるニコチンは、血流を悪くします。
血流の悪化は生理痛の原因のひとつ「冷え」を促進させるので、できる限り喫煙を控えるようにしましょう。

タバコを持つ手▲受動喫煙も体に良くありません。

 

痛み止めは“事前”に飲む!? 痛み止めとの「正しい付き合い方」

生理痛には痛み止めが一番効果的!

生理痛を抑えるのに一番効果的な方法は、痛み止めを服用することです。
実は、病院で処方される薬と市販薬の間で、効果の差はほとんどありません。
ですので、ご自身が手に入れやすい方を手に入れると良いでしょう。
痛み止めは、子宮内膜症や子宮筋腫が原因の「続発性の月経困難症」の痛みに対しても、ある程度作用します。

「毎日飲むのは体に負担がかかる」

「耐性ができてしまい、効かなくなるのでは」

そう不安に感じている女性もいますが、心配する必要はありません。
1ヶ月のうちに数日薬を飲む程度なら大丈夫です。

薬を持つ女性
▲市販薬でも効果は十分!

痛み止めは症状が出る前から使おう!

生理痛・月経困難症に限らず痛み止めの効果を最大限発揮させるには、症状が出る前から服用することが重要です
「術後の痛みをコントロールする」というテーマの論文でも、この方法が最適とされており、私もそれをおすすめしています。
生理周期や痛みのパターンがある程度読めるのであれば、痛みが出る前から飲み始めましょう。
例えば、「自分は2日目から痛くなる体質だから、1日目から痛み止めを飲むようにする」といったような感じです。
そうすることで痛みが効率的に抑えられ、結果的に服用回数も少なく、痛みもよく緩和されます。

我慢が限界になった時点で服用しても、その痛みの強さから「効き目が悪い」と感じてしまったり、効果のタイミングがズレてしまったりするので、あまり良いことはありません。

カプセル薬を持つ手

 

「ピル」は生理中のパフォーマンスを上げる女性の味方!

ピルは生理痛にも、月経困難症にも効果的です。
特に痛み止めの効果があまり感じられない女性は、婦人科でピルを処方してもらうことをおすすめします。

ピルの服用によって、体内で分泌されるホルモン量がコントロールされると、子宮内膜量が少なくなります。
これはつまり、ピルを使うと経血の量がグッと減り、それに比例して生理痛も軽くなるということです。

薬を持つ女性▲ピルは成人前から服用可能。生理痛・月経困難症の症状を軽くするための賢い選択でもあります。

ピルへの偏見を変えてみよう

ピルに抵抗を感じる女性もいますが、ピルは「女性のパフォーマンスを上げるためのサポーターのようなもの」と考えてほしいと思います。
例えば、酷い生理痛を抱えたままテストを受けたり、大事な会議でプレゼンをしたりすることは、女性にとって良いことだとは言えません。

辛い痛みを抱えて過ごすよりも、ピルを上手に使って、ご自身の快適な生活を叶えるほうが賢いときもあります。

最近では、保険が適応されるピルも登場しているため、決して高いアイテムではありません。

3人の女性

ピルを服用する際の注意点

ただし、注意点がひとつ
ピルには血を固めやすくする副作用があるため、脳梗塞などの病気を発症させる可能性がゼロではありません()。
処方してもらう際は、自分の体質に合ったものを医師に選んでもらいましょう。

脳梗塞などになる方は、酷い頭痛などの前兆があります。ピルを飲んだからといって、急に何かの病気になるわけではないので、過剰に心配する必要はありません。

かかりつけの婦人科を見つけておこう

生理中の不調に悩んでいる方は、日頃からご自身の体調や薬の処方について相談できる、ご近所の「かかりつけ医」を持つことも大切です。
特に、続発性の月経困難症は何かしらの病気が原因なので、ふだんから婦人科医に相談をしておくと、早期発見ができて安心です。

かかりつけ医は、万が一のとき、大病院と連携して病状を共有してくれることもあります。
迅速に治療を受けられるというメリットもあるので、ぜひ選択肢として持っておきましょう。

薬や通院を敬遠せず、生理痛・月経困難症を正しくケアしていきましょう。

 

監修

樋口壽宏先生

樋口壽宏先生 公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院 産婦人科主任部長

京都大学・滋賀県立総合病院を経て北野病院産婦人科主任部長に就任。婦人科がん治療を専門としているが、クリニックでの治療で改善しない月経困難症の治療にも積極的に取り組んでいる。

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