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ニキビじゃなくて顔カビ!? 皮膚科医に聞く肌荒れの原因・対処法

「赤ニキビがなかなか治らない」「ニキビ薬を塗っているのに変化がない」という悩みを抱えている方。
実はそれ、ニキビではなくて顔カビによる炎症かもしれません。

顔カビはニキビとは原因もメカニズムも異なるため、通常のニキビ対策では改善されません。
そこで今回は、顔カビによって起こる肌荒れのメカニズムや、ニキビとの違い、予防法や対策法などについて解説します。

✍目次

顔カビとニキビの見分け方
顔カビってなに?
マラセチア菌が原因で起こる症状
顔カビ発生危険リスト

顔カビを防ぐ方法と肌荒れの対処法

顔カビとニキビの見分け方

顔カビによる炎症とニキビは、一般に赤いブツブツの出方によって見分けられます。
光沢のある赤いブツブツが細かく均等に分布していたら、顔カビが原因の炎症です。
一方ニキビは、炎症の度合いによって赤いブツブツの大小が変わります。
ただし、専門家でないと簡単には見分けがつかないため、皮膚科を受診して判断してもらうのがベストです。

顔カビってなに?

顔カビの正体は、マラセチア菌という皮膚常在真菌です。
もともと人間の皮膚に存在する菌で、通常の数であれば問題はありません。
むしろ、肌のバランスが整っていれば、肌にプラスの働きをしてくれます。

しかし何らかの原因で肌のバランスが崩れると、マラセチア菌が毛穴で増殖します。
肌が増殖したマラセチア菌を異物とみなすと、皮膚に炎症を起こしてしまいます。
マラセチア菌はカビの一種なので、高温多湿を好みます。
汗かきの人に発症しやすく、汗をかきやすい夏場や湿度の高い梅雨時に悪化しやすくなります。
化粧水や乳液などをベタベタとつけすぎるのもよくありません。
もちろん肌の保湿は大切ですが、水分量が多すぎると増殖につながってしまうので注意しましょう。

また、風邪などで抗生剤を服用しているときに増殖することもあります。
抗生剤は細菌に効く薬ですがカビには効きません。
抗生剤の影響で皮膚の細菌だけが減少すると、肌のバランスが崩れてマラセチア菌が増えることがあります。

ほかにも、免疫力が低下しているときに発症しやすいのも特徴です。

マラセチア菌が原因で起こる症状

マラセチア菌が増殖すると、さまざまな症状が現れます。
ここでは、代表的な3つの症状をご紹介します。
以下のような症状が現れたら、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

●脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)/ 脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

脂漏性湿疹は、皮脂の過剰分泌によって引き起こされる皮膚炎です。
頭や眉毛・鼻の周り・わきなど、皮脂腺が集まっている部位に起こりやすい性質があります。
脂漏性湿疹にかかると、はじめは皮膚に炎症が起こり、かゆくなります。
さらに悪化すると、炎症が広範囲にわたったり複数現れたりするようになり、皮膚が赤くなる・かさぶた状になる・カサカサになるといった症状が生じます。

脂漏性湿疹の見た目はニキビととてもよく似ていて、皮脂の過剰分泌がトリガーになるという部分も同じです。症状もシチュエーションも似ているため、脂漏性湿疹とニキビを一般の方が見分けるのはむずかしいかもしれません。

脂漏性湿疹とニキビの決定的な違いは、原因菌です。
脂漏性湿疹はマラセチア菌を、ニキビはアクネ菌を原因として発生します。
原因が異なるため、治療法や用いられるお薬も全く異なります。
脂漏性湿疹の治療には、皮膚科で処方される抗真菌剤が有効です。
脂漏性湿疹は長引きやすく慢性化しやすいという特徴がありますので、気になる症状がある方は自己判断せずに皮膚科を受診することをおすすめします。

マラセチア毛包炎

耳、背中、肩、腕など、身体にできやすい病気です。
増殖したマラセチア菌が免疫反応で異物とみなされた場合、毛穴に赤いブツブツが出現します。
皮膚科で処方される抗真菌剤で治ります。

●でんぷう(不完全菌・不完全酵母)

黒なまずと呼ばれる薄い褐色班や白斑(白なまず)がまだら状に身体に出現します。
シミと勘違いされることも多いのですが、マラセチア菌が原因の病気です。
マラセチア菌がメラノサイトやケラチノサイトなどの色素細胞に作用して、異常が起こることが原因といわれています。

顔カビ発生危険リスト

脂漏性湿疹をはじめ、さまざまな皮膚炎をまねくマラセチア菌。
マラセチア菌が増殖するのは、何らかの原因によって肌が菌の増殖を招きやすい環境に傾いてしまっているからです。

以下でマラセチア菌の発生危険度をチェックしてみましょう。

・顔が皮脂でベタつきやすい
・睡眠不足が続いている
・夜寝るのが遅い
・ストレスがたまっている
・甘い物や甘い飲み物をよく摂取している
・脂っこい食べ物をよく口にする
・皮脂を気にして過剰に洗顔をしている
・化粧パフやブラシを洗っていない
・バスタオルやタオルを毎日替えていない
・枕カバーやシーツをめったに交換しない

当てはまる項目がある方は、マラセチア菌増殖の危険シグナルが出ています。
鏡を見て、湿疹は出ていないか・皮膚にかゆみや赤みはないかチェックしてみてください。

すでにマラセチア菌によるものと思われる症状が出ている方は、皮膚科を受診するとともに、次項でご紹介する対処法・予防法を試してみてください。

顔カビによる肌荒れの対処法と顔カビを防ぐ方法

●まずは皮膚科を受診!

顔カビに気がついたら、早めに皮膚科を受診しましょう。
皮膚科で処方する抗真菌剤はマラセチア菌によく効きます。
例えば「ケトコナゾール」などの抗真菌剤は基礎化粧品と併用できるため、基礎化粧品を使ったあとに塗ることができます。

●正しい方法で洗顔を!

マラセチア菌の増殖を防ぐには、肌を清潔にすることが第一条件です。
まずは、朝晩の正しい洗顔を心掛けましょう。
洗顔する際は、洗顔フォームをしっかり泡立てて、洗い残しのないように気をつけてください。

なお、洗顔フォームを使用しての洗顔は、朝晩の2回で十分です。
それ以上は行わないほうがいいでしょう。
皮脂を気にして洗顔しすぎると、肌が乾燥し、かえって皮脂が過剰に出てしまうことがあります。
その結果マラセチア菌の増殖が促される恐れも。

汗をそのまま放置しない!

汗をかいてそのままにしていると、マラセチア菌が増えてしまいます。
洗顔や洗髪、シャワーを浴びるなどの基本的なことをしっかりとして、きちんと汗を洗い流すことをおすすめします

●肌に触れるものは清潔に

タオルや枕カバー、ファンデーションのパフやメイクブラシなど、肌に直接ふれるものは清潔に保ちましょう。
特に女性が気をつけたいのは、ファンデーションのパフ。
皮脂や汗・メイクに直接ふれるパフは、数回の使用でかなり汚くなります。
さらに、パフは水分を吸収するため湿気を含みがちです。
そんなパフを長期間使い続けるのは、肌にとって非常によくありません。
1週間に1回は洗浄し、よく乾かしてから使用するようにしましょう。

●室内の湿度をコントロール

マラセチア菌は高温多湿を好むので、汗や湿気を防ぐためにエアコンで湿度をコントロールするのも効果的です。
炎症が治りにくいときは、エアコンや空気清浄機をこまめに掃除すると、症状が改善されることもあります。

●生活習慣の見直しを

ストレスをためないことも大切です。
また、適度な運動をし、早寝を心がけましょう。

●食事習慣の改善を

肌環境の改善には、バランスの良い食事が大切です。
食事では、皮脂調整機能をもつビタミンB群、なかでもビタミンB6を積極的に摂ることをおすすめします。
ビタミンB6を多く含む食品は、レバーや肉、カツオやマグロといった魚など。
また、バナナにも比較的多く含まれています。
こういった食品を上手にメニューに取り入れてみてください。

ただし、ビタミンB6は水溶性のため日常的に摂る必要があります。
定期的に食事から摂るのが難しい場合はサプリメントを利用するのも手です。

<監修>

江川 裕美

江川 裕美 千里中央ゆみスキンクリニック院長

「大阪市立大学医学部」、「大阪市立大学大学院医学研究科」卒業。「京都医療センター皮膚科」、「洛和会音羽病院皮膚科」、「宇治武田病院皮膚科」、「大阪府内の美容皮膚科」などを経て、2016年9月「千里中央ゆみスキンクリニック」開院。「医学博士」、「日本皮膚科学会専門医」。

クリニックでは、美容皮膚科、一般皮膚科、形成外科、漢方内科を提供し、分かりやすい説明と質の良い医療を心掛けています。モットーは、「皆様の肌にやさしいクリニック」。女性医師の立場から、美容に関するお悩みにも真摯に向き合い、健康的で自然な美しさの追求と、それを維持するお手伝いができればと思っております。

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