老眼・疲れ目対策

目が疲れやすい、目の調子が悪い。それは老眼の初期症状かも?
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老眼は治療できない!? レーシックや手術など、気になる最新情報

ある程度の年齢になると、誰もが悩む体の変化のひとつのが「老眼」です。
では老眼になったら、どうすればいいのでしょうか。
治療法や進行を遅らせる方法はあるのでしょうか。

今回は、二本松眼科病院の平松類先生に老眼の治療について解説していただきます。

目次✍

① 近くても遠くても、ピントが合いにくければ『老眼』です
② 老眼の進行には「脳の老化」も影響している!?
③ 老眼は治せない……!レーシックや老眼手術の効果は?
【老眼の進行予防法1】メガネ・コンタクトレンズで矯正する
【老眼の進行予防法2】生活習慣で進行を食い止める!
【老眼の進行予防法3】アイトレーニングやアイケアで、目をいたわる

近くても遠くても、ピントが合いにくければ『老眼』です

老眼とは、瞳のピントを合わせる能力が落ちることを指します。

本来の私たちの目には、自動的に遠くや近くにピントを調整する能力があります。近くを見る時は筋肉(毛様体筋)が収縮してレンズ(水晶体)を厚くし、遠くを見る時は筋肉が緩んでレンズを薄くして、そうやってレンズの厚みを変えることでピントを調整しています。

眼球の説明

老眼と関わりが深いのは、この「レンズ」と「筋肉」です
加齢などによってレンズが硬くなったり、筋肉の働きが弱くなったりすると、ピント調整能力が落ちてしまいます。
筋肉の力が弱ければレンズの厚みを変えられませんし、レンズが硬いとどんなに筋肉の力が強くても変形しにくくなるのです。

「近くのものが見えにくくなったら老眼」と考えている方も多くいますが、そうではなくて、近くても遠くてもピントが合いにくくなったら、それが老眼の始まりなのです。

老眼の進行には「脳の老化」も影響している!?

老眼になるポイントはもう1つあります。それは「脳」です。

人間は、目でとらえた画像を脳で処理してモノを見ています。
脳の処理機能が高ければ、老眼でぼやけた画像しか見えてなくても、脳がくっきりした状態に補正してくれます。
この処理機能が加齢などによって低くなると、目が良くてもモノが見えづらくなります

脳の老化

このように老眼はカラダの機能が衰えて起こるものなので、年齢を重ねれば誰しもがなる可能性があるといえます。

老眼は治せない……!レーシックや老眼手術の効果は?

◆ 老眼の根本的治療法はない……

老眼は遅かれ早かれ誰にでも起こる、老化現象の一つです。
老化を完全に治すことができないのと同じで、老眼の根本的な治療方法はありません。

◆ レーシックや老眼手術はデメリットがある

現在、唯一といっていい老眼治療の方法は「手術」です。
しかし、老眼手術には一定のリスクやデメリットがあり、また、完全に若い頃のような視力を取り戻せる保証はありません。

老眼手術にはさまざまな種類のものがありますが、一般的なのは「眼内レンズ」という、遠くも近くも見える多焦点レンズを目に埋め込む手術です。目の負担を軽減するために、白内障の手術と一緒に受けるのがベストです。
ただ、この手術では細かい調整が難しく、乱視が残るという短所があります。

また、視力回復手術といえばレーシックがよく知られていますが、老眼のレーシック治療は、近視用よりも高度な技術が必要で非常に難しい手術です。
角膜に多焦点レンズと同じような構造を施すもので、修正がききません。ドライアイになりやすいという合併症の心配もあります。

◆ 進行を遅らせたり予防したりすることはできる!

老眼は完全に治すことはできなくても、進行を遅らせたり、よく見えるようにしたりすることはできます。自分に合った方法を見つけて、老眼と上手に付き合いましょう。
そこで、以下からは老眼の進行をゆっくりにしたり、予防する方法をご紹介します。

【老眼の進行予防法1】メガネ・コンタクトレンズで矯正する

「メガネ(老眼鏡)をかけると老眼が進む」と考えている方がいますが、これは勘違い!
メガネやコンタクトレンズは、老眼で弱った機能をサポートするのでよく見えるようになり、不必要に老眼が進行するのを防ぎます。

◆ メガネ・コンタクトを作る際のポイント① 自分の生活習慣をきちんと考えること

人によって、「よく見えるようにしたいもの」は違います。
どの程度の距離のものをどの程度見えるようにしたいのを決めてから、最適なメガネやコンタクトレンズをつくりましょう。
例えば、パソコンのモニターを見るのと、スマートフォンを見るのと、本を読むのとでは、目から物までの距離が違うので、必要な度数も変わってきます。
自分に合った度数のものでないと、疲れたり老眼を進行させたりする恐れも。

◆ メガネ・コンタクトを作る際のポイント② 定期的にメンテナンスを行うこと

メガネは1回作って終わりではありません。老眼の進行具合をチェックしつつ、定期的に作り替えやメンテナンスをしましょう。
位置がずれてしまって見えづらくなることも多いので、度数だけでなく、鼻当てやフレームの位置がちゃんと合っているかどうかも定期的にチェックを。

【老眼の進行予防法2】生活習慣で進行を食い止める!

日々の生活習慣でも、老眼を進行させないよう以下のことに気をつけてみてください。

・スマートフォンやタブレットは文字を大きくして30cm以上距離をとって見る
・見続けることが良くないので、60分作業したら休みをとる
 ※遠くを見てぼーっとしたり、トイレ休憩にしても。“遠く”の目安は2m以上です。
・意識してまばたきを多くする
・紫外線を避ける
・食生活を改善する

【老眼の進行予防法3】アイトレーニングやアイケアで、目をいたわる

老眼の進行を防ぐには、目の筋肉が硬くならないようほぐしたり鍛えたりすることが大事。そこでアイトレーニングを取り入れてみましょう。
毎日続けることが一番なので、無理なく続けられるものを選びましょう。

① 遠近ストレッチ

老眼の調べ方

一定の距離や場所ばかりを見ていると、目の筋肉が凝り固まってしまいます。
そこで、「遠くを見る」「近くを見る」を繰り返してピントの変化をつけると、筋肉がほぐれてスムーズに動くようになります

1.  2メートル以上離れたところを見ます。
2. 近くを見ます。人差し指を目から30~40センチ離したところに置いて、その指先を見ましょう。
3. また、遠くを見ます。

1~3を10回ほど繰り返します。

② ホット・アイ

蒸しタオルを目に乗せる女性

目を温めて血流をよくする方法です。
血流をよくすることで疲労物質を排出し、見えやすくします。

1.  水に濡らして絞ったタオルを電子レンジで温めます。
2. 目を閉じてまぶたの上にのせます。

最近は目を温めるシートなど便利な商品もあるので、それを使用してもよいでしょう。

③ ガボール・アイ

ガボールアイ

目そのものの機能ではなく、目に入って来た情報を処理する脳を鍛えるトレーニングです。

ガボール・パッチという縞模様がたくさん書かれた紙を見て、同じ形&向きの縞模様を見つけます。紙は30cmくらい離しましょう。
1日1回3~10分を目安に続けます。

図を使って目と脳をうまく連携させることで脳を鍛えるもので、老眼だけでなく近視にも良いといわれています。

まとめ

現在、老眼を根本的に治療する方法はありませんが、老眼の進行を防ぐことは可能です。老眼の進行を抑えられれば、毎日の視界が快適になるのはもちろん、「よく眠れる」「疲れにくくなる」「仕事の効率が上がる」「たくさん本が読める」などさまざまなメリットも期待できます。

老眼が気になり始めている方は、ぜひ今日からケアをしてみてください。

【監修】

平松 類(ひらまつ るい)先生

平松 類(ひらまつ るい)先生 眼科専門医

二本松眼科病院勤務、眼科専門医・医学博士・昭和大学兼任講師。
わかりやすい説明と丁寧な診察で患者からの信頼が厚く、北海道から九州まで各地から患者が集まる。
目だけでなく全身に関する医療をわかりやすく解説する講演を全国で行っており、『老眼のウソ』『緑内障の最新治療』(共に時事通信社)『老人の取扱説明書』(SBクリエイティブ)など著書も多く、近著の『ガボール・アイ』(SBクリエイティブ)では脳を鍛えるトレーニングを紹介している。

『ガボール・アイ』
https://honto.jp/netstore/pd-book_29324165.html