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宿便を出すダイエットは嘘?無理なく便秘を防ぐコツと快便レシピ【医師監修】

“腸にこびりついた宿便を出してマイナス〇キロ”というようなフレーズを聞いて、興味をそそられたことはありませんか?
しかし果たして本当に、何年も腸に残った宿便など存在するのでしょうか。

今回は、便秘外来を設ける松生クリニック院長の松生恒夫先生に、その真相をお聞きしました。

目次✍

見た目が黒い便は「宿便」?出し方はあるの?
本末転倒?便秘を招くダイエット方法とは
健康的に便秘を改善!基本の生活を見直すだけ
簡単!腸が喜ぶひとくちレシピ

見た目が黒い便は「宿便」?出し方はあるの?

一時期、「宿便」という言葉が大流行しましたが、医学的には「宿便」というものはありません
これまで4万件以上も腸の内視鏡検査をしてきた松生先生も、こびりついた便など見たことがないそう。

排便してもスッキリせず、残っているような不快感があるとすれば、それは通常の便が残っているだけ。
腸はぜん動運動で老廃物を振り落としているため、便が腸内に残り続けて宿便となることはないのです。

この他、「腸内洗浄で宿便が出せる」という話にも医学的な根拠はありません
「腸内洗浄」をすること自体は悪くはありませんが、あくまでも一時的に腸内環境を整えるためのものになります。

「慢性的に便秘気味である」「お腹が張っている」「排便しても残っているような感じがする」という方は、「宿便」という言葉に踊らされるのではなく、日頃の生活を見直して、日常的に便秘を防ぐようにしましょう。

本末転倒?便秘を招くダイエット方法とは

女性は、ホルモンの関係で男性よりも便秘になりやすい傾向がありますが、その他に便秘を招く要因としてダイエットがあげられます。

体重計に乗る女性

◆「糖質制限ダイエット」は便秘をしやすい

今流行りの「糖質制限ダイエット」。
糖質を含む炭水化物などを食事から抜くだけ、という手軽さのせいか、昔から定期的に流行るダイエットではありますが、腸にとっては良いとは言えません。
なぜなら炭水化物には、糖質以外に食物繊維が含まれており、便通を助けてくれる重要な役割を担っているからです

厚生労働省の基準では、18~69歳について、女性は1日に18g以上、男性は20g以上の食物繊維を摂るよう勧めています
炭水化物を減らすと結果的に食物繊維の摂取量も減ってしまうので、やみくもに炭水化物の摂取を減らすのが良いとは言えないのです。

--- 関連記事 ---
太る要因にもなる?糖質依存のセルフチェックと糖質制限の方法

 

◆朝食抜きは排便のタイミングを逃す!?

朝食を食べないのも、腸にとっては良くありません。
排便に重要な「大ぜん動」という大腸の収縮運動が最も強く起きるのは、朝だからです
「大ぜん動」は、胃に食べ物が入って「胃・結腸反射」が起きることで、引き起こされます。
つまり、朝食を食べないと絶好の排便タイミングを逃してしまうのです。

健康的に便秘を改善!基本の生活を見直すだけ

便秘には、病気などが原因で起こる「症候性便秘」と、生活習慣の乱れなどから起こる「常習性便秘」があります。
ひどい便秘に悩んでいる人は、病気が隠れている場合もありますので、医療機関を受診してみてください。
「常習性便秘」のうち、軽いものは食事などを見直すことで改善させることができます
3つの基本をご紹介します。

1.一汁三菜の食事を心掛ける

お膳に乗せられた軽食

日本人が昔から食べてきた食物繊維が豊富で低脂肪の食事は、腸にとっては理想的。
欧米の食文化が浸透する以前は、日本人が腸の病気にかかることは少なかったのだとか。
日本食の中心である米は、食物繊維が豊富で排便をスムーズにします。
また、味噌や醤油、漬物に含まれる植物性乳酸菌は、胃で死滅せずに、生きたまま腸まで達してくれます
ヨーグルトは便秘に良いと言われますが、動物性乳酸菌は胃液や腸液で死滅しやすいため、実は生きたまま腸には届きにくいのです。

2.冷えない工夫をする

防寒対策する女性

冬場だけでなく、エアコンによって冷えが起こる夏場にも便秘は悪化しがち
冷えにさらされ続けると、自律神経の乱れを引き起こし、腸の動きが悪くなるためです。
冷房の調整がしにくいオフィスなどでは、ひざ掛けを常備したり、薄手の腹巻きを利用したりしてみてください。

また、入浴の際はしっかり湯舟に浸かって体を温めると、自律神経のバランスを改善する効果が。
温まって腸のガスも出やすくなります。

3.1日30分ほど歩く

髪をかき上げる女性

腸を動かすために、運動は効果的です。
中でも、手軽に始められるのが1日30分程度のウォーキングです。
運動の刺激で大腸の動きが活発になりますし、リラックス効果が生じて副交感神経系が優位になることが、排便にも良い効果をもたらします。
通勤時間などを有効活用できればベストですが、忙しい場合は週末に時間をとって行ってみてください。

簡単!腸が喜ぶひとくちレシピ

腸の働きを良くするとされる食材で、簡単に続けられる食べ方をご紹介します。

◆オリーブオイル納豆

納豆

―― 作り方 ――
納豆1パックに、醤油などの調味料、オリーブオイル大さじ1を入れて混ぜるだけ!

オリーブオイルに豊富に含有されているオレイン酸は、消化管を動かす作用があります
その排便促進効果は紀元前から知られており、イタリアでも古くから便秘予防に用いられているそう。
これを、納豆菌の豊富な納豆に混ぜることで、相乗効果が期待でき、クリーミーな味がクセになります。
使用するオイルは、エクストラバージンオリーブオイルがおすすめです。

◆ココアミントティー

―― 作り方 ――
1.300㏄のお湯で、ミント・ティーを作る。市販のティーバッグのもので良い。
2.1に、ココア小さじ2、オリゴ糖小さじ2~3を入れて混ぜる。

毎日排便はあるものの、お腹が張っているようなときにおすすめ。
ココアに含まれる食物繊維の働きと、腸内の善玉菌を増加させるオリゴ糖、そして、胃腸と脳をスッキリさせるペパーミントの効果は、過敏性腸症候群にも効果があると言われています。

まとめ

排便しても便が残っているように感じるのは、生活習慣の乱れなどから腸の動きがにぶくなっている証拠
宿便が存在するような感覚にとらわれますが、下剤や特別な方法で出したとしても、それは宿便ではなく通常の便。
特殊な方法を探すより、まずは、食べ物や生活習慣を見直してみましょう。
腸を健康的な状態にすることが、キレイへの近道なのです。

監修

松生恒夫先生

1980年、東京慈恵会医科大学卒業。
松島病院大腸肛門病センター診療部長などを経て、2004年松生クリニックを開業。
便秘外来を設け、治療、食生活指導も積極的に行う。
和食とオリーブオイルを組み合わせた「地中海式和食」を提唱するなどしている。
『医師が教える発酵食スープ』(小学館集英社プロダクション)、『寿命をのばしたかったら「便秘」を改善しなさい!』(海竜社)、『大腸リセットで健康寿命をのばす』(廣済堂出版)、など著書多数。

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