
2018.09.12
ダイエット
スクワットはやせる?正しいやり方とダイエットに効果的な回数
「スクワットはダイエットに効果的」というのは、ダイエット経験者の方にとっては常識かもしれません。
でも、正しいスクワットのやり方や、1日に何回すれば効果が出るのかご存知でしょうか?
今回は、そんなダイエットにまつわるスクワットの真実を、パーソナルトレーナーの今野拓也さんに教えていただきました。
基本のスクワットに、ちょっと応用したランジなど、スクワットのことをまるっとご紹介します!
目次✍
■筋力UPへの近道はスクワット!?その理由は
■スクワットで動かせる大きな筋肉ってどこ?
■スクワットを続けると期待できるダイエット効果
■基本のスクワットのやり方・回数
■スクワットの回数・期間
■スクワットで気をつけること
■スクワットで足は太くならない
■レベル別のスクワット
【1】簡単なスクワット
【2】ハードなスクワット
【3】ヒップアップやぽっこり下腹に効くスクワット
【4】腰痛持ちの人によいスクワット
■おわりに
筋力UPへの近道はスクワット!?その理由は
ダイエットを成功させる重要なカギのひとつ・筋力UPには「筋トレ」が必要ですが、数ある筋トレのなかでも特におすすめなのは「スクワット」です。
なぜならスクワットは、下半身の筋肉を鍛えるのに最も効率的なトレーニングだからです。
実は下半身には、体全体の約75~80%を占めるたくさんの筋肉が集まっています。
スクワットで下半身を鍛えて筋力がつけば、エネルギー消費量が上がり痩せやすい体になります。
また、「スクワットは、下半身の主要な関節を効率よく動かせる」というのも筋力アップしやすい理由です。
筋肉は関節の動きに合わせて伸びたり縮んだりするので、関節を意識して動かすことが筋トレのポイントになります。
例えばダンベルなどの筋トレでは「ひじ関節」だけしか動かせませんが、スクワットなら、「足関節」・「ひざ関節」・「股関節」と複数の関節を同時に動かすことができます。
3つの関節につながるすべての筋肉を動かせるので、スクワットは筋力を上げるのに手っ取り早い方法なのです。
スクワットで動かせる大きな筋肉ってどこ?
下半身を構成する主要な筋肉は、太ももにある「大腿四頭筋(だいたいしとうきん)」、「ハムストリングス」、「内転筋(ないてんきん)」、お尻にある「大臀筋(だいでんきん)」、「中殿筋(ちゅうでんきん)」などです。
細かく分ければ無数に挙げられますが、メジャーな筋肉といえばこの5つでしょう。
なかでも女性に意識してほしいのは、ヒップアップに利く中殿筋や、なかなか鍛えにくい内転筋(内もも)です。
スクワットはその両方を刺激するので女性にとっては嬉しいメリットでしょう。
スクワットを続けると期待できるダイエット効果
ふだん運動をしていない人は、運動代謝が低い状態にあります。
「朝起きて、会社に行って、友達とご飯を食べて、家に帰る」
といった生活パターンには、それほど多くの運動量を必要としません。
生活レベルに合わせたエネルギーしか使われないので、当然、運動代謝も低いままです。
そこにスクワットなどの筋トレ習慣を取り入れると、いつもは使っていない冬眠中の筋肉が動くようになって運動代謝が上がり始めます。
100の運動量から200の運動量に上がれば、その分消費されるエネルギーもUP。
脂肪も燃え始めるので、ダイエットにもつながります。
もちろん、スクワットは思い立ったときにやるのではなく、毎日続けることが大切です。
基本のスクワットのやり方・回数
それでは基本のスクワットのやり方を御覧ください。
<Step1> 肩幅より、足幅1つ分広めに開いて立つ
<Step2> つま先は少し外側に向ける。ひざとつま先が一直線になるように。
<Step3> 目線を床に落として、三角形(※)の頂点にボタンがあるのをイメージ
(※)
両足のつま先を結んだ線を底辺にして正三角形をイメージをする
<Step4> 腕を前に出して両手を重ね、両手でボタンを押しにいくようなイメージで腰を落とす
初心者は、「パラレルスクワット」という、太ももが床と平行になるくらいまで落とすスタイルでOKです。正しくできているのか不安な場合はソファなどを利用して、座面にお尻が触れるまで腰を落としましょう。
※イラストは手を頭の後ろで組んでいますが、パラレルスクワットの際も手は「基本のスクワット」のように手前で重ねるほうがおすすめです
「パラレルスクワットでは物足りない」と感じるなら、1つレベルを上げて「フルスクワット」(「ディープスクワット」)を行いましょう。フルスクワットも基本の形は同じですが、違いはしっかりしゃがみ切るまで腰を落とすこと。“ヤンキー座り”のようにきちんと開脚するのがポイントです。
スクワットの回数・期間
スクワットは1日につき「10回×3セット」が目安です。
初心者や運動が久しぶりな人は、パラレルスクワットを数ヶ月継続して行いましょう。
定期的な運動をしている人は、負荷をかけてみましょう。
パラレルスクワットやフルスクワットだけでは、効果が現れるまでに長く時間がかかるからです。
例えばペットボトルを持ったり、バッグを胸に抱えたりしてトレーニングを続けてみましょう。
ペットボトルは、500mlなら2本、1ℓなら1本を手に持ちます。
胸にバッグを持つなら、目線は少し斜め下くらいを意識してください。
負荷をかければ、数か月ほどで効果が現れるはずです。
なかには、「一升瓶を持ってやっている」という人もいますよ。
スクワットで気をつけること
スクワットで最も重要なのは、足の小指が浮かないようにすることです。
小指側が浮いて、親指側やかかとに重心がくると、筋肉がねじれてひざに負担がかかり、ひざ・腰を痛める原因になります。
スクワットに負荷をかけるときも同様。
重さをどんどん増やして負荷をかければ運動量は上がりますが、小指が浮いてしまっては意味がありません。
またスクワットのときに腹筋に力を入れたり、胸を張ったり、背筋を伸ばすのはNGです。
例えば胸を張ると、重心がかかとにきて足が浮きがちになります。
足が浮くと、バランスを崩してケガをしたり、ひざ・腰を痛めたりすることがあるので注意してください。
スクワットで足は太くならない
スクワットをやると脚が太くなると思い込んでいる人がいますが、それは正しいフォームで行えていないからです。
太ももの前にある羽状筋といわれる筋肉は、骨に対して羽のように斜めについています。
脚が太くなったという人はその部分しか使えていないから、筋肉が広がって太く見えてしまうのです。
正しいフォームで行えば、スラっとした脚を目指せます。
「基本のスクワット」は、キレイなフォームを作りやすいのでおすすめ。
ケガやひざ・腰を痛めるのを防ぐやり方でもあるので、ぜひマスターしてくださいね。
レベル別のスクワット
簡単なスクワット
運動が苦手な人なら、低めの椅子やソファに座って立つだけでも効果があります。
運動に慣れるまで続けてみて、自信が持てるようになったらパラレルスクワットに進みましょう。
ハードなスクワット
基本のスクワットに慣れてきたらレベルアップしてみましょう。
足を縦に開いて行う「スプリットスクワット」や、それに似た「ランジ」といわれるスクワットがおすすめです。
スプリットのポイントは、足をまっすぐ縦に開いてしっかり腰を落とすこと。
バランスを崩しやすいようなら、少しだけ足を横にずらすとやりやすくなります。
お尻により効かせたいなら、できるだけ大股に開いて行いましょう。
ヒップアップやぽっこり下腹に効くスクワット
ヒップアップやぽっこり下腹には、足をよりワイドに開いて行う「ワイドスクワット」がおすすめです。
ヒップ・お腹に効くワイドクスワットは、基本のスクワットとやり方は同じですが、両足を足の幅2つ分開くのがポイント。
このときも小指が浮くとお尻に効かなくなるので注意が必要です。
またひざのお皿が内側を向くとひざに負担がかかるのでNG。
ひざは外側に向けて、つま先と一直線になるように気をつけましょう。
ワイドスクワットがヒップアップに利く理由は、足を広めに開くとひざがより外側を向き、外転・外旋の負荷がかかりやすくなるためです。
お尻側の筋肉が内側にキュッと入るので、スクワット効果を高めることができます。
お腹に利く理由は、スクワットによって内転筋に刺激が入るからです。
内ももから恥骨にかけてついている内転筋と、恥骨とみぞおちを結ぶ腹筋はつながっているため、内転筋を動かすことで間接的に腹筋にも力が入り、お腹にも十分効くトレーニングになります。
ひざを外ねじりにすると、お尻や太ももの裏の筋肉に効きやすくなります。
習慣になれば、モデルのようにすらっとした脚を目指すことも可能です。
日本人には“内またがカワイイ”という傾向がありますが、内または下半身のバランスを崩します。
体型にも響いてくるので、美脚を目指すなら内またはやめましょう。
腰痛持ちの人によいスクワット
腰痛持ち専用のスクワットはありませんが、腰痛持ちの人は特に小指が浮かないように気をつけることが大切です。
小指が浮くとひざがねじれて内側に向き、親指側に重心がかかってフォームも崩れてしまいます。
またひざがねじれると骨盤が外にひねられ、筋肉も引っ張られて腰が張ってきます。
そうすると、腰に痛みが出てくることになります。
正しいフォームを知らないと腰痛が出てくるので気をつけましょうね。
おわりに
スクワットで小指が浮く人は、基本的に重心が内側に偏りがちです。
小指の感覚を取り戻すには、立っているときに靴と小指が触れているのを意識するだけでも効果があります。
裸足で過ごしたり足の裏を触ったり、お風呂で足の裏をゴシゴシ洗うのもおすすめ。
足の裏を刺激すると、人間に元々備わっている機能を取り戻すのに役立ちます。
日頃から裸足で過ごす時間を増やし、足の感覚を研ぎ澄ませた状態でスクワットを行うと、正しいフォームを取りやすくなります。
もちろんダイエット効果も上がりますよ。
スクワットの正しいやり方をおさえて、ダイエットに役立ててくださいね。