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ズキズキ・脈打つ・吐き気がする!? 自分の頭痛の種類と治し方をチェックしよう【神経内科医監修】

雨の日は頭が痛い。
働きすぎた翌日はズキズキが止まらない。
月の半分は痛みがある。

頭痛の発症条件や症状は人それぞれ。
実は頭痛は、その症状別に一次性頭痛・二次性頭痛に分けられ、それぞれがさらに細かな種類に分類されます。あなたは、自分の頭痛の種類が「何」にあたるかご存知ですか?

今回は、頭痛学会所属の医師・蔵地万里奈先生に、頭痛の種類や治し方、セルフケアの方法などについてご紹介していただきました。

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「頭痛が酷い方に知ってほしい!『頭痛外来』に行くタイミング・症状の伝え方【神経内科医監修】」

目次✍

頭痛の種類ってどんなのがあるの?
 【1】一次性頭痛(原因の病気がはっきりない頭痛)
 【2】二次性頭痛(原因となる病気があるもの)
一次性頭痛の治療方法
 【1】緊張性頭痛の治療方法
 【2】片頭痛の治療方法
 【3】群発頭痛の治療方法
慢性頭痛が起きたときのセルフケア方法
 【1】緊張型頭痛のセルフケア
 【2】片頭痛のセルフケア
 【3】群発頭痛のセルフケア
まとめ

頭痛の種類ってどんなのがあるの?

原因となる病気がはっきりせずに繰り返す頭痛を「一次性頭痛」。原因となる病気があるものを「二次性頭痛」といいます。それぞれの頭痛について、詳しくご説明します。

一次性頭痛(原因の病気がはっきりない頭痛)

【1】緊張型頭痛

一次性頭痛のなかで最も患者数の多い頭痛です。
一般的には、月に15日以上の頻度で3カ月以上頭痛が生じると、「慢性緊張型頭痛」と定義されます。緊張型頭痛のはっきりとした原因はまだ解明されていませんが、多くの患者さんが感じているように、肩こりや冷え・精神的なストレス・運動不足が関連しているといわれています。

緊張型頭痛は市販薬で対応できるケースが多いのですが、服用の頻度が増えてくると効果が乏しくなります。さらに、薬の量を増やすことで、かえって頭痛がひどくなることもあるため、注意が必要です。あまり消炎鎮痛剤を飲みたくないという方は、漢方が効果を示すこともあります。

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【2】片頭痛

片頭痛は主に女性に頻発します。片頭痛という名前から「頭のどちらか片側だけに痛みが起きるもの」と思われることも多いのですが、両側に痛みが起きることも珍しくありません。特徴としては、脈打つようなズキンズキンとした痛みに加え、悪心や嘔吐を伴うことがあります。

患者さんによっては、痛みとともに光をまぶしく感じて目が開けられなくなる「光過敏」、普段より音を過敏に感じる「音過敏」、臭いに過敏になる「臭い過敏」といった症状を訴える方もいます。また女性は月経に関連して片頭痛が起きることもあり、その場合の痛みは重く・長く続くといった傾向があります。

片頭痛が起きる前に「前兆」を感じる方もいます。有名なものとしては、視野にギザギザ模様の光が見える「閃輝暗点」という症状です。ほかにも、患者さんごとに感じるさまざまな「前兆」の種類があります。

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【3】群発頭痛

片頭痛とは逆に、男性が頻度高く発症する頭痛です。痛みの強さはかなりひどく、日常生活に支障をきたすことが多くあります。
群発頭痛は早朝や明け方など決まった時間に起きることが多く、一度発作が起きると数カ月続くこともあります。
片頭痛は頭の両側に起きることもありますが、群発頭痛はどちらか片側に痛みが生じます。そして痛みとともに、痛む側の目が充血したり、涙が出たり、鼻水が出るといった特徴があります。

 

二次性頭痛(原因となる病気があるもの)

【1】くも膜下出血

多くは脳動脈瘤の破裂によって生じます。脳動脈瘤は存在するだけであれば無症状であることが多く、脳ドッグなどで偶然みつかることがあります。ただし、脳動脈瘤が何かの拍子で破裂し、頭の中に出血が拡がると痛みが生じます。
かなり激しい痛みであることが多く、「人生最大の頭痛」「バットで殴られたような痛み」と表現される頭痛が起こります。

出血が起きた場所によっては、意識障害や、片側の麻痺・痺れといった症状が伴うこともあります。しかし頭痛のみの症状であることも決して稀ではないので、ふだんと違う激しい頭痛であれば、夜間であっても救急外来を受診することが推奨されます。

 

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【2】脳出血

頭蓋内の血管が何らかの原因で破れ、脳の中で出血が起きることを脳出血といいます。脳出血は必ずしも頭痛を伴うとは限りませんが、脳の浮腫が強まることで頭痛が生じることがあります。身体の片側の麻痺や痺れ、めまい、呂律がまわりにくいなどといった症状を伴うことが多くあります。一般的には頭のCT画像を撮ることで診断がつきます。

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【3】髄膜炎・脳炎

感染症に伴って起きる代表的な頭痛です。脳と、脳から背中へとつながる脊髄を満たしている「髄液」と呼ばれる液体のなかで、ウイルスや細菌などが炎症を起こすことで生じます。頭痛に加え、発熱することが特徴です。

また首を下へ曲げづらくなる「項部硬直」と呼ばれる症状がみられることもあります。診断をつけるにあたっては、腰の骨の間から針を刺して髄液をとって調べる「腰椎穿刺」が行われることがあります。

一次性頭痛の治療方法

問診だけで頭痛の原因がはっきりしないときには、血液検査やCTMRIといった画像検査が行われます。また、頭痛の原因が分かれば、処方薬や頭痛ダイアリーなど、その原因に応じた治療が開始されます。一次性頭痛の主な治療方法は以下のとおりです(二次性頭痛の場合は大元の原因となっている病気の治療が優先されます)。

 

【1】緊張性頭痛の治療方法

緊張性頭痛の患者さんには、消炎鎮痛剤を処方します。代表的な薬は「アセチルサリチル酸(アスピリン)」「アセトアミノフェン(カロナール)」「ロキソプロフェン(ロキソニン)」など。また、日頃のストレスを軽減するための生活上のアドバイスをします。

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【2】片頭痛の治療方法

片頭痛は、「消炎鎮痛剤」「片頭痛に有効な薬」「予防薬」の3種類の処方薬を用いて治療します。ただし、薬によっては胎児に影響が出るものも存在します妊娠中、もしくは妊娠を望む場合は、あらかじめ医師に伝えておく方が良いでしょう。

■「消炎鎮痛剤」
緊張性頭痛と同じ薬で、「アセチルサリチル酸(アスピリン)」「アセトアミノフェン(カロナール)」「ロキソプロフェン(ロキソニン)」などを処方します。

 

■「片頭痛に有効な薬」

消炎鎮痛剤の効果があまり見られず、痛みが強いという場合は、片頭痛に有効な薬が処方されることがあります。
代表的な薬は、「トリプタン製剤」や「エルゴタミン製剤」などです。トリプタン製剤には経口薬以外にも、点鼻薬や自己注射薬があります。効き目の早さや効く時間の長さなどが異なるため、患者さんの頭痛の症状に合わせて選択をします。そのほか、筋肉の緊張を和らげる薬や漢方薬を使うこともあります。

 

■「予防薬」
片頭痛には予防薬があります。代表的な薬は、「カルシウム拮抗薬(一般名ロメリジン)「抗てんかん薬(一般名バルプロ酸)」などです。予防薬は頭痛の頻度がかなり多かったり、痛みの程度がひどく、薬が効きにくかったりする場合に提案されます。

予防薬は頭痛が起きていないときにも飲むことになりますが、片頭痛の頻度を減らしたり、頭痛が起きた際の痛みの程度を軽くしたりといった効果が期待できます。ただし、予防薬の効果が出るまでに数カ月かかることがあるため、ある程度長期間内服を続けることになります。予防薬の効果が出て頭痛のコントロールができるようになれば、徐々に減らして、最後に中止することも可能です。

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【3】群発頭痛の治療方法

多くの場合、トリプタン製剤の皮下注射や点鼻薬が処方されます。基本的には薬での治療がメインとなりますが、酸素吸入が効果を示すこともあります。

慢性頭痛が起きたときのセルフケア方法

慢性頭痛が起きたときは、下記のようなポイントに注意して対処しましょう。

【1】緊張型頭痛のセルフケア

緊張型頭痛は首や肩の凝りとの関連が深いとされているので、疲れを溜めないことが予防の第一歩となります。

長時間同じ姿勢で仕事をする場合は適宜休憩をとってストレッチをする、1日の終わりにマッサージをする、適度な運動習慣を身につけるなど、自分でできる予防策を取り入れましょう。

冷えも大敵です。身体を冷やさないように上着やブランケットを使用するほか、温かいお風呂にゆっくりつかることもおすすめです。好きなアロマを焚いたり、運動をしたりして、なるべくストレスを溜めないように心がけましょう。

さらに、緊張型頭痛とうつには関連があるといわれています。痛みが原因でうつ気分になったり、うつ病から頭痛が生じたりといった関係性が指摘されています。うつ気分が強い場合には、ある種の抗うつ薬が緊張型頭痛の予防にも効果を示すことがあります。

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【2】片頭痛のセルフケア

片頭痛患者の75%には、何らかの頭痛が生じる誘発因子があるといわれています。
例えばストレス・精神的緊張(および緊張からの開放)・寝不足・過睡眠・月経・気温差などがあります。ワインやチョコレート・チーズ・コーヒーなどの食べ物が誘発因子となることもあります。

誘発因子は人それぞれ違いますし、すべての誘発因子を避けることは難しいのですが、もしもご自身で「このような状況で片頭痛が起きやすい」と思い当たるものがあれば、できる限り避けるようにしましょう。

片頭痛の発作時は、身体を動かすことで痛みがひどくなりますので、暗く静かな部屋で安静にしましょう。また緊張型頭痛と異なり、痛む部分を冷やすと楽になることがあります。

トリプタン製剤など発作時の薬を処方されている方は、飲むタイミングが効果に影響を与えます。頭痛が完全にひどくなってしまってから内服しても効き目が悪いことがあるので、痛くなり始めに飲むと良いといわれています。ただし、それも人それぞれなところがあるので、ご自身でどのタイミングで飲むと効果が強いかを検証し、調整してみると良いでしょう。

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【3】群発頭痛のセルフケア

群発頭痛は病態について解明されていない部分が多くあり、治療に苦労する場合も少なくありません。まずは基本的な生活リズムをきちんと整え、睡眠不足に気を付けましょう。また飲酒が頭痛を誘発することもありますので、飲酒は控えるようにしましょう。

まとめ

前編・後編を通じて、頭痛外来に行くタイミングや治療方法、慢性頭痛が起きたときのセルフケアの方法などについてご紹介しました。

頭痛は、セルフケアである程度予防することも可能です。生活習慣を整える、ストレスを溜めないなど、自分なりの予防策を見つけましょう。

また、痛みを抱え込まずに、一般内科や頭痛外来を受診することも大切です。頭痛ダイアリーに薬の服用状況をメモしておけば、薬がどの程度効いているかを判断することもできます。ご自身の頭痛のパターンをつかみ、頭痛と上手に付き合いましょう。

◇監修の先生プロフィール

蔵地万里奈先生

蔵地万里奈先生

「愛媛大学医学部」卒業。
「藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院神経内科」助教。
「日本内科学会」所属。「日本頭痛学会」所属。「女医+(じょいぷらす)」所属。

神経内科医として日々勉強中です。
頭痛はありふれた病気ですが、実は正しく治療されていない人が多いと感じます。
もっとたくさんの人に頭痛の知識と正しい治療法を知ってもらい、毎日を楽しく過ごせるような手助けができればいいなと思って診療にあたっています。

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