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酷い便秘を治すには病院の何科に行けばいい?どんな薬が効くの?【医師監修】

酷い便秘になったとき、あなたは医療機関を受診していますか?

「便秘くらいで受診するのは面倒」
と思われるかもしれませんが、便秘は放置していると手術が必要になるほど重症化することもあります。

そこで今回は、便秘で悩んでいるときに病院の何科に行けば良いのか、どのタイミングで行くべきなのかを医師の古川真依子先生に教えていただきました。

目次✍

便秘何日目で病院に行くべき?
便秘で内科に行って大丈夫?ベストは便秘外来?
診察の流れは?どんな処方をされるの?
どんな処方薬があるの?
診察後に自宅で心がけることは?

便秘何日目で病院に行くべき?

排便の頻度には個人差がありますが、一般的に3日以上排便がないと医学的に「便秘」と診断されます。

3日以上をひとつの目安としつつ、いつもと排便回数や便の状況が違うときや、腹痛・腹満・吐き気を伴う便秘になったら、医療機関を受診すると良いでしょう。

便秘で内科に行って大丈夫?ベストは便秘外来?

便秘は「消化器内科」の外来で相談できますが、近くにない場合は「一般内科」でも対応可能です。

一般内科は内科の入り口のような存在で、患者の全身を総合的に診察し、必要に応じて各専門分野に誘導します。

便秘に限らず、何科を受診したら良いか迷ったときには、一般内科にかかると良いでしょう。

クリニックでも内科・消化器科と掲げているところでは専門的な相談ができますので、まずは一般内科や消化器内科を受診されることをおすすめします。

なお、大学病院や総合病院の消化器内科の中には、「便秘外来」という専門の診療科を設けている病院もあります。
ただし便秘に特化した外来は少ないのが現状です。

診察の流れは?どんな処方をされるの?

内科での診察は基本的に、問診・触診・治療の流れで行います。

症状に合わせて生活指導や薬を処方するほか、原因精査のために専門医が便潜血検査や大腸内視鏡検査などを行うこともあります。

 

<診察の流れ>

●問診

便通や便の状態・生活習慣・食習慣などを記入した質問シートに従って診察します。
腸閉塞などが疑われる場合は採血やレントゲン検査、大腸ポリープや癌が疑われる場合は便潜血検査や大腸内視鏡検査などに進みます。

●触診

便秘の程度やお腹の張りなどを触診でチェックします。
病気が疑われる場合は、血液検査や大腸内視鏡検査などの精密検査に進みます。

●治療

問診と触診の結果を基に、治療方針を決定します。
まずは食事と運動療法を指導し、改善されない場合は内服薬や浣腸などに進みます。

<指導・処方について>

①生活習慣の指導

まずは便秘改善の指導を行います。
「1日3食バランス良く規則的に食べること」「水分(特に起床時)を意識して摂取すること」などを勧めるほか、「腹筋の強化」「腸管の運動を促すための適度な運動」などをアドバイスします。

②処方薬

便秘薬、座薬、整腸剤、浣腸などを処方します。

・便秘薬(下剤)
主に緩下剤、刺激性下剤を処方します。
緩下剤で便の水分量、硬さを調整し、刺激性下剤で排泄を促します。
詳細は続く「どんな処方薬があるの?」でご紹介します。

・整腸剤
便秘薬に併せて、腸内細菌を整える目的で整腸剤を使用することもあります。

・座薬や浣腸
内服薬で調整が難しい場合は、座薬・浣腸といった直接的に腸管を刺激する外用薬を使用します。

 

③病気の治療

便秘の原因が何らかの病気であると判明した場合は、便秘の治療と共に病気の治療を行います。
検査結果によっては、専門の病院を紹介することもあります。

どんな処方薬があるの?

薬は大まかに、「緩下剤(マグネシウムなど)」と「刺激性下剤(センサイド・アローゼンなど)」の2つに分けられます。

 

●緩下剤(塩類下剤)

基本的に緩下剤は、食事や水分摂取が少なく便が硬くなりがちな方に処方されます。腸に水分を集めることで便を軟らかくし、排出しやすくします。
お腹が痛くなりにくい、癖になりにくいなどのメリットがありますが、効果を感じるまでに時間がかかることも。また心臓や腎臓に持病のある人は、服用に注意が必要です。

<主な薬品名> 酸化マグネシウム(マグミットなど)

 

●刺激性下剤

刺激性下剤は、基本的には腹筋が弱く排便する力が足りない方に処方します。
大腸の動きを高めて、便の移動を速める効果が期待でき、「①大腸刺激性下剤」「②座薬」などの種類があります。

 

【大腸刺激性下剤】
腸を直接刺激して蠕動運動を引き起こし、便を排出します。
効果を実感しやすい一方、お腹が痛くなったり、習慣化(癖になる)したり、妊娠中は服用できないなどの注意事項があります。

<主な薬品名> センナ(アローゼン、プルゼニド)、ピコスルファートナトリウム(ラキソベロン)

 

【座薬】
炭酸ガスを結腸や直腸に直接作用させて、便を排出します。即効性がありますが、使用後におならが出やすくなったりお腹が痛くなったりと、不快感がでることがあります。
また習慣化するリスクもあります。

<主な薬品名> 新レシカルボン坐剤

●その他

【浣腸】
直腸の粘膜に直接刺激を与えて、蠕動運動を促します。
便を軟らかくし、滑りをよくして、排出しやすくする効果も。
即効性があり、赤ちゃんに使えるものもありますが、お腹が痛くなる・習慣化するなどのリスクがあります。

<主な薬品名> グリセリン浣腸

 

【整腸剤】
整腸剤とは腸を整える薬剤の総称です。
直接腸のはたらきを助ける「消化酵素剤」、間接的に消化液に分泌促進と胃腸運動を促進させる「調整剤」に分けられます。
便秘薬と併用することで腸内環境を整え、より効果を実感できることがあります。
習慣性が少ないため、日常的に摂っても問題ありません。

<主な薬品名> ビオフェルミン錠剤

診察後に自宅で心がけることは?

病院を受診したからといって、便秘がすぐに解消されるわけではありません。
便秘にならないように生活習慣や食生活を見直すことも大切です。
以下のポイントを意識しつつ、医師による生活指導に従って自宅で毎日ケアしましょう。

①1日3食規則正しく食事を摂る

水溶性・不溶性の食物繊維をバランス良く摂りましょう。
具体的には、穀物・いも・豆・野菜・海藻・きのこ類などです。
また、便のかさを増やす米や麺類などの炭水化物も適度に摂ると良いでしょう。

 

②水分を摂る

毎日2リットルを目安に、水分を摂るように心がけましょう。
起床時に水分(水・お茶・牛乳など)を摂り、腸管の動きを刺激することも大切です。

 

③有酸素運動をする

食後2時間以降にウォーキングなどの有酸素運動を取り入れましょう。
有酸素運動には、血行や循環を促進し、腸管のはたらきを高める効果があります。

 

④筋力をつける

腹筋運動等の適度な筋力トレーニングを取り入れ、排便する力をつけましょう。

 

⑤ビフィズス菌を摂る

ビフィズス菌などを含む乳製品や発酵食品を1日1品以上摂りましょう。
乳製品なら牛乳、ヨーグルトなど、発酵食品なら納豆、キムチなどがおすすめです。
習慣的に摂ることで腸内細菌のバランスが整います。

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まとめ

身体に様々な影響を及ぼす便秘は、放置せずに早めに解消するのが大切です。
便秘に悩んでいるならば、まずは一般内科を受診して便秘の原因を探ることから始めましょう。
また、バランスの良い食事や適度な運動などを取り入れて、規則正しい生活を送るのも忘れずに。
ビフィズス菌や乳酸菌などを含むサプリメントを習慣的に摂るのも有効です。

監修者◇プロフィール

古川真依子先生

古川真依子先生

2003年東京女子医科大学卒業後、東京女子医科大学病院附属青山病院消化器内科医療錬士として関連病院等に出向。
2008年に帰局後助教として勤務。
2013年より東京ミッドタウンクリニック勤務。女医+(じょいぷらす)所属。

便秘や痔に悩む女性の方は少なくありません。
まずは食生活、生活習慣の見直しや、市販薬で調整することになりますが、難しい場合は気軽に病院を受診し相談してください。
便秘の根本的な原因を探り、腸内環境の改善を目指しましょう。

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