ヘルスケア

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30代で異変を感じる人も。老眼の初期症状のチェックのすすめ

40歳を超えると、新聞や本などの小さな文字や近距離のものが見えにくいと感じる人が増えてきます。
これは、加齢に伴って眼の調節機能が衰える「老眼」といわれる現象。
年齢を重ねるに従って誰もが経験する症状であり、避けて通ることのできないものです。

ところが最近では30代、なかには20代でも老眼のような症状を訴える人が増えています。
見えにくさなど自覚症状が現れているのに「まだ若いから大丈夫」と自己判断するのは禁物。
若くても老眼のような症状がある場合は、初期段階で早めの対策をとることが大切です。

 

✍目次

①こんな症状ありませんか?老眼の初期症状チェックリスト
②いますぐできる!近点距離のセルフチェック法
 ー【近点距離を簡易的に測る方法】
 ー【年齢別の近点距離】
 ー【近点距離の目安】
③ピント調整機能が低下する原因を知ろう
④若年層に急増中のスマホ老眼って?
⑤老眼は眼精疲労を引き起こす!?
⑥30代でできる老眼の進行を遅らせる方法
⑦近視の人は老眼にならないの?
⑧まとめ

こんな症状ありませんか?老眼の初期症状チェックリスト

「遠くはよく見えるのに近くのものが見えづらい」のが老眼の代表的症状ですが、ほかにも特徴的な症状がいくつかあります。生活のなかで下記にあげる症状があるなら、初期老眼の可能性大。自覚症状がなくても、知らず知らずのうちに老眼が進んでいる場合もあるので、早速チェックしてみましょう。

 

【老眼の初期症状チェック項目(老眼の初期に見られる症状)】

①薬や化粧品などのラベルの文字がぼやける

②新聞・雑誌・スマホなどの小さい文字が見えづらい(遠ざけると見える)

③近視の眼鏡を外すと、近くのものがよく見える

④パとバ、ペとべ、ポとボなどの文字を判別しにくい

⑤近くのものを見続けると眼が疲れる

⑥最近、肩こりや頭痛に悩まされている

⑦手元の作業を長時間続けると、吐き気を感じることがある

⑧室内灯だけでは文字が見えにくい(手元を照らすライトが必要になった)

⑨パソコンの画面を見た後、手元の原稿や資料が見づらい

⑩スマホを操作した後に遠くを見るとぼやける

 

このような症状が思い当たる方は、初期の老眼かもしれません。
チェック項目が多いほど、老眼の可能性が高いといえます。

いますぐできる!近点距離のセルフチェック法

老眼になるとピント調節機能が衰えて、ピントが合う距離がどんどん離れていきます。老眼の初期症状に心当たりがある場合は、「近点距離」も測ってみましょう。

近点距離とは、眼がピントを合わせられる最も近い距離のこと。
この近点距離を測ることで、老眼がどのくらい進んでいるのかを、目安として把握することもできます。

 

【近点距離を簡易的に測る方法】

自宅で簡単に近点距離をチェックする方法をご紹介します。

<近点距離測定法>

①眼から10㎝程度のところに、本や新聞を置く

②本や新聞を徐々に眼から離していく

③文字にピントが合ったところでストップし、距離を測る

眼から30㎝以上離さなければピントが合わない場合は、老眼の可能性があります。

 

【年齢別の近点距離】

近点距離は年齢と共に伸びていきます。20代では10㎝でピント調節ができるのに、60代では100㎝以上離さないと見えない人もいます。

【近点距離の目安】

・20代=10㎝

・30代=15㎝

・40代=25㎝

・50代=40㎝

・60代=100㎝

近点距離をチェックして、例えば30㎝だった場合は、ピント調節機能が45歳程度であることが目安として分かります。

 

ピント調整機能が低下する原因を知ろう

人の眼は、水晶体の周りにあるネット状の筋である「毛様体筋」と呼ばれる筋肉が、見る対象に合わせて水晶体を薄くしたり厚くしたりすることで、自動的にピントを合わせています。
近くを見るときにはその毛様体筋がぐっと緊張してレンズが厚くなっている状態。
近くのものを長時間見続けているとその状態がずっと続いているということになります。

年齢からくる老眼は、水晶体の弾力が失われて、眼の調節機能が衰えることが原因ですが、若年層の老眼のような症状は、毛様体筋の緊張状態が続くことでピント調節機能が低下し、近くが見えづらくなるために起こります。

若年層に急増中のスマホ老眼って?

「スマホ老眼」という言葉をご存知でしょうか。
スマートフォンやパソコン、タブレットなどの普及が進み、特にそうした機器を長時間使う傾向のある若い世代(10代・20代・30代)に、老眼のような、調節機能の低下の症状が現れていることが、最近よく取り沙汰されています。

 

スマホやパソコンの使い方を見直すことで改善できる若い人の老眼のような症状は、眼の使い方に問題があるケースが多いようです。
スマホなどの画面を見ることが多い、しかも持続時間が長いとなると毛様体筋の緊張状態がずっと続くことになります。
スマホやパソコンは画面上での動きが多いため、活字を見るときと比べると疲労感が3倍も強いといわれます。

 

スマホ老眼を防ぐには、まずスマホやパソコンの使用時間を見直したり使用頻度を減らしたりすること。
また、連続して画面を見続けないよう、合間に眼を休ませることも大切です。
1時間見たら15分休むといった具合に、ときどき画面から眼を離すことを心がけましょう。

眼を休ませている間に意識してできるだけ遠くを眺めるようにするのもさらに効果的です。

老眼は眼精疲労を引き起こす!?

見え方が気になるのにまだ若いから・初期だからと放置していると、眼が無理にピントを合わせようとして眼精疲労を引き起こします。
悪化すれば、肩こり、吐き気、頭痛などの症状が現れることもあります。
老眼の初期症状がある場合は、早めに眼科で検査をして、見え方に合った眼鏡やコンタクトレンズを使いましょう。

最近では、若い人を意識したファッション性の高い「リーディンググラス(老眼鏡)」も販売されているので、適宜利用してもよいでしょう。
また、近視や遠視用の眼鏡やコンタクトレンズを使用している場合も、遠近両用の眼鏡やコンタクトレンズに変えるなど、ピント調整を早めに行うことが大切です。

なかには「老眼鏡を使うと老眼が進行するのでは?」と思われる人もいますが、それは間違った認識です。
老眼は老眼鏡をかけたからといって症状が進行することはありません。
初期の老眼でも生活に不自由さを感じるなら、症状に合わせて適切な眼鏡やコンタクトレンズを使い、眼の負担を軽減させることをおすすめします。

30代でできる老眼の進行を遅らせる方法

1.意識的に眼を休ませる・眼のストレッチをする

初期の老眼でも、眼に過度の負荷がかかり続けると老眼が進行してしまいます。長時間手元の作業を続けたりモバイル画面を見たりしていると、毛様体筋が休まずに緊張したままの状態になります。そんなときは、意識的に眼を休ませましょう。また、眼の筋肉をほぐす眼のストレッチを行うこともおすすめします。

【眼の簡単ストレッチ】

①遠くを見たり、近くを見たりを繰り返す
→水晶体のピント調節機能が衰えないように、毛様体筋のコリをほぐします。

②眼をギュッと閉じたりパッと開けたりを繰り返す
→緊張させたり緩めたりすることで、眼の周りの血液循環がよくなります。

読書やスマホゲームなどで近くばかりを見ているなと気付いたら、眼のストレッチで眼の緊張をほぐしたり、意識的に眼を休ませたりしましょう。

 

 

2.抗酸化作用のある食事を摂る

老眼は老化現象のひとつなので、対策として抗酸化作用のある栄養を積極的に摂ることも有効です。緑黄色野菜やレバーなどに含まれるビタミンA、小松菜やレモンなどに含まれるビタミンC、ナッツ類や川魚などに含まれるビタミンEなどがおすすめ。食事で摂るのが難しい場合は、サプリメントで補ってもよいでしょう。

 

3.紫外線対策をする

紫外線は眼の老化を促進させるため、できるだけ避ける必要があります。紫外線が気になる季節は特に、UVカット眼鏡やコンタクトレンズ、サングラス、日傘、帽子などで対策しましょう。

近視の人は老眼にならないの?

「遠視と老眼は同じ?」「近視の人は老眼にならない?」と思われがちですが、遠視と老眼は別のものですし、近視・遠視の人でも老眼になります。ただ、近視と遠視では、老眼の症状が現れる時期や老眼鏡を必要とするタイミングに差があります。近視の人は、近くが見えるからと老眼の症状に気付きにくい傾向があるので注意が必要です

一方、近くも遠くも見づらくなるのが遠視。特に、近くにピントを合わせる機能が衰えているため、老眼の症状に気付きやすい特徴があります。いずれの場合も、眼を酷使しすぎないように注意しましょう。

まとめ

加齢による老眼と違いスマホ老眼の場合は、ほとんどが一時的なもので、少し眼を休ませる、スマホの使用時間を減らすといった早めの対策で改善できることが多いのですが、放置は危険。

悪化すると30代でも老眼鏡が必要になるケースがあるので、くれぐれも「若いからまだ大丈夫」と過信したり、自己判断で放置したりしないように。

「近くのものが見えにくい」など自覚症状が現れた場合は、まずは医療機関で視力検査を受け、医師の指導の下で改善を試みましょう。

監修

眼科専門医・岡山良子

眼科専門医・岡山良子 医療法人社団済安堂 お茶の水・井上眼科クリニック院長

眼科専門医。日本眼科学会会員。日本眼内レンズ屈折手術学会会員。1973年熊本大学医学部卒業。国立別府病院眼科、西眼科病院などを経て、1993年医療法人社団済安堂 井上眼科病院に入局。2012年より現職。入局以来、「病院の基本は外来診療にある」との考えから、ただ、診断・治療するだけの医療ではなく、患者視点に立った医療の実践を心がけている。

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