ヘルスケア

生活習慣病や老眼、むくみなど、年齢によって変化するカラダに関するカテゴリです。
生活習慣の改善など、トラブルの予防と対策を提案します。

性格や脳にも影響する!〝腸〟スゴイ話!

健康のほとんどは〝腸内環境〟で決まる!

腸は私たちの健康を根底で支える偉大な器官。生命の進化は腸から始まったといっても過言ではなく、日々の活動と密接に関わり、健康の手綱を握っています。
食べたものを消化・吸収し、便として排出するだけだと思ったら大間違い。腸内環境は免疫力や、肌の状態、太りやすさなどにも深く関わっています。
近年では、心の健康や性格に関わる脳内の神経伝達物質を作り出していることが分かってきました。
そんな脳と腸の密接な関係を指す「脳腸相関(のうちょうそうかん)」という言葉が注目されています。体内に侵入した外敵やストレスに対して、脳が考えるより先に反応する腸は、まさに「第二の脳」と呼ぶにふさわしい働きぶりなのです。
ただ残念ながら、食生活や環境の変化から、現代人の腸内環境は悪化する傾向にあります。まずは腸のスゴイ働きを知って、腸内環境を積極的にレベルアップする生活習慣を身につけましょう。

ここまで分かった!〝腸内環境〟最前線

うつなど心の病気も腸内環境が要。

脳内に存在する神経伝達物質「セロトニン」は、逆境に立ち向かい、前向きな気持ちを作り出す働きを持っています。セロトニンの前駆体となる物質を作り、脳に届けるのも腸内細菌の役割。米国では、腸内環境を整えることでうつ病を治療する臨床研究も始まっています。

そのイライラ、腸が原因かも!?

ビタミンB群は、脳内の神経伝達物質が正しく働くために重要な栄養素。体内でビタミンB群を作るのも、腸内細菌の役割です。腸内環境が悪化すると十分に合成されなくなるため、集中力が低下したり、イライラしやすくなることも。

ストレスは腸がはね返す!

ストレスを感じるとおなかの調子が悪くなるのは、脳と腸の密接な関係によるもの。ストレスに弱くなるのは脳内で「セロトニン」が不足するためですが、セロトニンの前駆体の製造工場は腸にあります。つまり腸内環境を整えることが、セロトニンを増やしストレスをはね返すことになるのです。

乳酸菌が、性格を変える!

動物を使った実験では、乳酸菌を与えた個体ほど元気に育ち、性格的にも温和な傾向があることが確認されました。これは「幸せ物質」と呼ばれる「ドーパミン」の大部分が腸内細菌によって作られるためと考えられます。つまり、善玉菌を増やすことは性格にも影響するのです。

人は腸から老化する!

今、「P16」というたんぱく質に注目が集まっています。健康な組織にP16が現れたら、それは老化が始まった証拠。そして人の臓器の中で一番早くP16が現れるのが腸なのです。全身の健康に関わる腸の老化はさまざまな不調のもと。腸内環境を良好に保ち、P16の発生を遅らせることで、結果として老化のスピードを緩やかにすることができると考えられています。

腸の老化は健康長寿の大敵!あなたの腸年齢は?

腸内細菌の種類は人それぞれ バランスは生活環境で変化

人の腸内に棲む腸内細菌の種類は、生まれてからおよそ1歳になるまでに決まり、変わることはありません。できあがった腸内環境は、人によって実にさまざま。指紋と同じように、ひとりとして同じパターンを持つ人はいないといわれるほどです。
 その一方、腸内細菌のバランスは生活環境によって変化します。理想的な比率は、善玉菌:悪玉菌:日和見菌(中立)=2:1:7。この割合がキープされていれば、大腸菌などの悪玉菌の増殖が抑えられ、良好な腸内環境が維持されます。

加齢とともに腸も老化し腸内環境が悪化する

腸内細菌のバランスは、年齢の影響も受けます。例えば善玉菌の代表であるビフィズス菌は、中高年から減少し始め、悪玉菌の数が上回ってしまうことも。悪玉菌が増えると、腸内細菌のバランスがどんどん崩れ、腸の老化が始まります。
この老化は、加齢により腸の動きが鈍くなることが原因のひとつと考えられ、ある程度避けられないことです。それに加え、食生活や生活習慣の影響から腸内環境が悪化すると、腸の老化が加速し、実年齢以上に老け込んでしまう場合があります。
まずは2つの腸力検査で現在の腸の状態を知り、腸老化の原因となる悪習慣を見直しましょう。

【腸力検査 PART 1】 腸年齢チェック!

□対人関係が苦手
□くよくよしがち、落ち込みがち
□寝つきが悪い
□便秘が多い、あるいは下痢が多い
□排便の時間が不規則
□排便後なのにスッキリ感がない
□花粉症やハウスダストなどのアレルギーがある
□風邪をひきやすい
□実年齢より老けて見られる
□疲れや怪我の回復が遅い
□些細なことでイライラしたりキレたりする


チェック0個 ・・・ 優秀です! 実年齢より10歳は若い腸です
チェック2~3個 ・・・ 実年齢と腸年齢はほぼ同じです
チェック4~7個 ・・・ 実年齢より3~5歳程度老けています
チェック8個以上 ・・・ 老化が深刻です! 実年齢より10歳以上老けているかも

【腸力検査 PART 2】 腸を老化させる 悪習慣チェック!

□野菜の煮物やサラダはあまり食べない
野菜に含まれる食物繊維は、便をほどよい硬さに整え、腸を刺激して排便を促す働きを持っています。さらに重要なのは、善玉菌のエサとなり、その過程で短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)を作り出すこと。短鎖脂肪酸は腸壁を守り、腸内環境を整えることで、免疫力アップにも貢献しています。

□ストレスを溜めやすい
仕事や人間関係など、ストレスを感じやすい人は要注意! ストレスを感じるとおなかの調子が悪くなる人が多いように、腸とストレスはお互いに影響し合っています。
またストレス下では交感神経が優位になり、腸の働きにブレーキがかかるため、腸内環境をさらに悪化させます。

□ついエスカレーターを使ってしまう
運動不足は筋力の低下につながるため、排便に必要な腹筋が衰え、便秘がちに。また、適度な運動は胃腸の働きを活発にするため、腸内環境を整えるためにも大切です。

□食事は肉料理が中心
肉に含まれるコレステロールは悪玉菌のエサになるので、食べすぎると腸内環境の悪化を招きます。ある程度のコレステロールは必要ですが、たっぷりの野菜と一緒に食べることをお忘れなく。

□甘いもの、パンや麺が大好き!
脳は糖質が大好きですが、腸は糖質の摂りすぎを嫌います。精製された白い米や小麦粉や砂糖は、急激に血糖値を上げ、腸を老化させる活性酸素を大量に作り出す原因となります。

□つい夜更かししてしまう
腸内細菌や腸粘膜の活動は、眠っている時間帯に限られます。
睡眠不足が続くと、ビタミンや免疫細胞などを生み出す腸の活動が停滞。睡眠に関わるメラトニンも分泌されにくくなるため、眠りの質が低下。ますます睡眠不足が加速する、という悪循環に。


1つでも思い当たるものがあったら、腸の老化を加速させているかも。腸力アップの「7つの習慣」を実践し、腸力の底上げを図りましょう!

監修

藤田 紘一郎 先生

藤田 紘一郎 先生 東京医科歯科大学名誉教授

専門は寄生虫学、熱帯医学、感染免疫学。『脳はバカ、腸はかしこい』(三五館)など、腸に関する著書多数。

RECOMMEND おすすめ記事