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背中ニキビの原因・正しい治療法・ケア方法って?皮膚科医に教わる綺麗な背中の作り方

見えないけれど、なんだか気になる「背中のニキビ」。ふと気づいた瞬間から、セルフケアで治そうとしている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、背中ニキビの正しい治し方・跡にしない方法・原因などを皮膚科医の黒川一郎先生に伺いました。

実は、世間的に知られているセルフケア方法のなかには、あまり効果的とは言えないものがあったり、「ニキビだと思っていたけど、実は他の皮膚炎だった!」というケースもあるんですよ。

目次✍

原因は、脂腺性毛包が多いから!?
背中ニキビは塗り薬と飲み薬で治す!
ニキビ跡・色素沈着はケミカルピーリングやイオン導入で治そう
予防・改善するには?
“跡”を治す2つの方法
ニキビをできやすさせる・悪化させる3つの原因
よく似た皮膚炎のケースって?
まとめ

背中にニキビができる原因は、脂腺性毛包が多いから!?

ニキビとは、皮脂腺から過剰に分泌された皮脂や古い角質が毛穴に詰まり、そこに細菌が繁殖することで生じる皮膚炎の一種です。背中は体のなかでも脂腺性毛包が多いことが原因で、ニキビができやすいと言えます

背中ニキビの多くは、上背部にできます。大きさや形は大小様々で、赤く腫れたり、中央に黄色い膿(うみ)がたまったりすることも。2週間程度で綺麗に治る人もいますが、炎症を繰り返して長引く人や、ニキビとニキビ跡の両方に悩む人もたくさんいます。

また、ニキビが悪化すると集簇性ざ瘡(しゅうぞくせいざそう)という重症ニキビや、粉瘤(ふんりゅう)という別の皮膚炎に発展することがあります。集簇性ざ瘡や粉瘤は、ニキビよりもさらに治りにくく長引きやすい皮膚の病気です。

そうならないうちに、早めのニキビ治療が推奨されます。

背中ニキビは塗り薬と飲み薬で治す!

皮膚科医は、炎症を抑える塗り薬や飲み薬で背中ニキビを治します(※例外もあります)。

塗り薬は「過酸化ベンゾイル」を用いることが多く、症状に合わせて抗菌剤の飲み薬、塗り薬を処方します。また、ニキビの状態を見て、ニキビの中に詰まった膿や皮脂を出す「面ぽう圧出(めんぽうあっしゅつ)」をすることも。

いずれにせよ、背中のニキビを綺麗に治すポイントは、できるだけ早い段階で治療を始めることです
速やかな処置が、炎症の悪化や長引き、ニキビ跡を防ぎます。

また、後述しますが、「ニキビだと思っていたら実はニキビじゃなくて他の皮膚炎だった」ということもありえます。まずは正しい診断を受けることが大切なので、「たかがニキビ」と思わずに皮膚科を受診しましょう。

背中のニキビ跡・色素沈着はケミカルピーリングやイオン導入で治そう

背中ニキビが厄介なのは、なかなか治りにくく、跡になりやすいところです。
赤ニキビや膿ニキビの場合、炎症は治まっても、その部分の肌がクレーター状になったり色素沈着を起こしたりすることがあります

皮膚科で受けられるニキビ跡治療としては、グリコール酸を用いたケミカルピーリングやイオン導入などがメインです。ケミカルピーリングは残留している古い角質をはがし、肌のターンオーバーを促して、新しくて綺麗な背中を再生する効果があります。

イオン導入は、微弱な電流を用いて、そのままでは浸透しにくいビタミンCなどの有効成分を皮膚の奥へと浸透させ、美肌に導きます。

このほか、美容皮膚科ではフラクショナルレーザーを用いた治療を行っているところもあります。

背中ニキビを予防・改善するには?

背中のニキビやニキビ跡を予防・改善するためには、皮膚科で適切な治療を受けたうえで、生活習慣の見直しもしていきましょう。

●基本的な「生活習慣の見直し」が大切

背中ニキビを予防・改善するためには、ニキビができやすい土壌、つまり“過剰な皮脂や古い角質が毛穴に詰まっている状態”から脱することが大事です。そこで大切なのが、基本的な生活習慣を見直すこと

・ストレスをためないようにする
・睡眠をたっぷりとる
・規則正しい生活を心がける
・脂質や糖質の高い食品を摂りすぎない
・栄養バランスのよい食事を心がける

上記のような基礎的なことを徹底しましょう。

●ニキビを刺激しないこともポイント

ニキビを悪化させたいためにも、患部は清潔に保ち、できるだけ刺激物に触れないように気をつけてください。

患部に衣類が触れてかゆみや痛みがあるときは、綿や麻など天然素材の衣類を身に着けましょう。ウールやナイロンなどの化学繊維でできた衣類は、刺激になることがあります。

背中ニキビ“跡”を治す2つの方法

●トランサミン・ビタミンC誘導体を使う

ニキビ跡が気になる箇所は、有効成分を含む化粧品を使ってケアしましょう。
おすすめは、トランサミンやビタミンC誘導体配合の化粧品
これらは、服用するよりも患部に塗布するほうが効果的です。
内服薬やサプリメントを飲むよりも、有効成分が配合された化粧品を用いましょう。

【トランサミン】
トランサミンは肝斑やシミに用いられる成分で、メラニン色素を抑制する作用があります。
そのため、ニキビ跡の色素沈着を改善する効果が期待できます。

【ビタミンC誘導体】
ビタミンC誘導体は、高い抗酸化作用や美白作用を持つ成分です。
皮膚に浸透しにくいビタミンCを効果的に皮膚に浸透させる働きがあります。

 

●紫外線対策をする

紫外線対策もしっかりと!
紫外線はニキビ跡や色素沈着の大敵です。特に夏場の日差しが強い時期は、長時間のアウトドアや海水浴は避けたほうが良いでしょう。日頃から患部に紫外線が当たらないよう、衣類でガードするか、日焼け止めクリームや日傘などで紫外線対策をすることも大切です。

背中ニキビをできやすさせる・悪化させる3つの原因

背中のニキビを改善するには、ニキビをできやすくする・悪化させる原因を知ることも大切です。
以下の5つのポイントを理解して、心当たりがある場合は対処するようにしましょう。
なお、ご紹介する原因は、背中だけではなく全身のニキビに通じて言えることです。

 

①生活習慣

睡眠不足や不規則な生活が続くと、肌のターンオーバー機能が乱れ、本来はがれ落ちるべき古い角質が肌表面に残ります。
そこに皮脂が混ざって角栓をつくると、毛穴が詰まりやすくなり、背中ニキビができやすくなります。また、生活習慣の乱れは、ホルモンバランスを悪化させたり、ストレスを招いたりと、ほかのニキビができる要因を誘発させることも考えられます。
心の健康のためにも、生活習慣を今一度見直してみることはとても大切です。

スマートフォンを見る女性

 

②物理的な接触

髪の毛が当たったり、刺激性のある衣類(化成繊維など)が触れたりすることで、背中にニキビができたり悪化すしたりすることがあります。
ニキビが気になるときは、肌に優しい生活を心がけるようにしましょう。
髪の毛が刺激になっていることもあるので、背中のニキビが気になるときはアップヘアを心がけるのも良いですね

白いノースリーブを着た女性

③食生活

脂質や糖質の高い食べ物を摂りすぎると、皮脂分泌が盛んになり、毛穴が詰まりやすくなります。
食べ過ぎには要注意!

お菓子をつまむ女性

その背中ニキビ、本当にニキビ? よく似た皮膚炎のケースも!

セルフケアをしても、症状が治るどころか悪化してしまうことがあります。そんなときは、ニキビに似た別の皮膚炎を疑ってみましょう。

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・毛包炎(もうほうえん)

毛包炎は、傷ついた毛穴に表皮ブドウ球菌や黄色ブドウ球菌などが感染することによって起きる皮膚炎です。赤みの強いブツブツが発生し、悪化すると膿が出て白ニキビのような状態になることもあります。見た目がニキビとよく似ているのが特徴です。

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・マラセチア毛包炎(もうほうえん)

マラセチア毛包炎は、皮膚常在菌の一種・マラセチア菌が毛穴で増殖することで生じる皮膚炎です。赤く小さなブツブツが“均一的”に発生し、かゆみを伴うこともあります。
ただし、ニキビのように大きな腫れや大きさのバラつきはほとんどなく、毛穴内部の芯のようなものもありません。

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・緑膿菌性毛包炎(りょくのうきんせいもうほうえん)

緑膿菌という細菌が原因で起きる毛穴の感染症が、緑膿菌性毛包炎です。ポツポツと赤い発疹ができ、かゆみを伴うこともあります。
緑膿菌性毛包炎の感染ルートとして多いのは、お風呂など湿気の高い場所に置いてあるナイロンタオルやスポンジ。これらに緑膿菌が増殖し、それで体をゴシゴシとこすることで感染することが考えられます。

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・毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん)

毛孔性苔癬は、毛穴に古い角質がたまることによって生じます。茶色い発疹ができ、かゆみや痛み・腫れなどはありません。二の腕にできることが多い症状ですが、背中に現れることもあります。

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・ステロイドざ瘡

ステロイドざ瘡は、ステロイドの飲み薬の副作用として起きる炎症です。毛穴にポツポツと赤い発疹が生じます。ステロイド塗り薬を使っている人みなに出るわけではありませんが、ステロイド使用中にこういった発疹が出た場合はステロイドざ瘡が疑われます。

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・粉瘤(ふんりゅう)/ アテローム / 表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)

皮膚の下にできた袋状の構造物に、古い角質と皮脂がたまることで生じる皮膚炎です。やや盛り上がりのある半球状のしこりで、中央に黒い芯のようなものがあります。悪化すると細菌感染を起こしたり極端に大きく腫れ上がったりする恐れも。

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このように、ニキビと見た目や症状が似ている皮膚炎はたくさんあります。それぞれに適切な治療・ケアをしないと、炎症は治るどころか悪化してしまいます。しかし、それがニキビなのか他の炎症なのかを一般の方が判断するのは困難です。

まずは皮膚科で診断を受けることをおすすめします。

まとめ

背中のニキビをしっかりと治すためには、まずは皮膚科で
「本当にニキビなのか、他の皮膚炎ではないか」
の診断を受け、そのうえで適切な治療を行うことです。

また同時に、基本的な生活習慣の見直しや正しいセルフケアを実践してください。炎症の悪化やニキビ跡を防ぎ、自信を持って肌見せできる美しい背中を目指しましょう。

医療法人 明和病院

黒川一郎

黒川一郎 皮膚科部長・にきびセンター長

医療法人 明和病院の皮膚科部長・にきびセンター長を務める。
皮膚に関するすべての診療を行っており、にきびに関しては特に専門性の高い診療をしている。
アレルギー検査・皮膚生検・光線療法にも精通。