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カフェイン断ちで頭痛になるって本当? 医師に聞くカフェインレス生活のススメ

すこし前から話題のキーワード『カフェインレス』『カフェインフリー』や『デカフェ』。

世間が積極的に“カフェイン”について考えるようになった昨今ではありますが、私たちはいったいどれだけカフェインの影響を“理解”して過ごせているのでしょうか。

カフェインは私たちの体の健康と密に関わっていて、たとえば『頭痛』にも関係しています。

そこで今回は、内科医の上嶋弾先生にカフェインの影響や依存症・ゆるやかなカフェインレス生活の進め方について教えていただきました。

 

✍目次

1.  カフェインの影響が出始めるのはカップ約◯杯以上!
2. 過剰摂取すると現れる5つの悪影響
3. 頭痛とカフェインの関係
4. 疲労感とカフェイン依存症のメカニズム
5. カフェインを抜くことで得られる3つのメリット
6. カフェインの作用が少ない飲みもの
7. デカフェコーヒーに潜む「落とし穴」、知ってた?
8. まとめ

カフェインの影響が出始めるのはカップ約◯杯以上!

カフェインはコーヒー・コーラ・栄養ドリンク・緑茶・ココア、さらには市販の鎮痛剤など、さまざまなものに含まれています。そんなカフェインは1日に250mg以上摂取すると、以下のような身体変化が現れます。

【からだ】

・不眠
・顔面紅潮
・頻尿
・頻脈

【気持ち】

・焦燥感
・神経過敏
・興奮

など・・・・・・

250mgはコーヒーでいうとカップ約2杯~。
朝の1杯・昼食後の1杯・夕方の疲れたときに1杯といったペースで飲んでいると、意外とすぐにオーバーしてしまう数値です。
程度に差はありますが胃痛や嘔気などの消化器症状が現れることもあります。

過剰摂取すると現れる5つの悪影響

カフェインを過剰摂取したときに発症する症状の一例をご紹介します。

1・カフェインの影響が重症化する

カフェインは1時間以内に6.5mg/体重以上(体重50kgの方で、エナジードリンク3本半~6本程度)を摂取すると、上記であげた身体変化の急性症状を発症します。
例えば過度な頻尿に悩まされたり、睡眠の質が極端に低下したり。
さらに3時間以内に17mg/体重を摂取すると、症状は重症化する可能性が高くなります。

2・女性にとっては大問題!骨粗しょう症・貧血を引き起こす

カフェインを過剰摂取すると、その利尿作用で頻尿になります。
そうすると、おしっこと一緒にカルシウムが必要以上に排出されてしまうので、骨粗しょう症になる可能性が高まります。
またカフェインには鉄分や亜鉛の吸収を阻害する作用があるので、貧血の原因になることも。
骨粗しょう症も貧血も女性に多く見られる病気なので、女性は特にカフェインの過剰摂取に気をつけるようにしましょう。

3・シミが拡大する!?

過剰なカフェイン摂取にはシミの原因になるメラニンを拡散させる作用があるので、お肌のシミを大きくしたり色素沈着を濃くしたりすることも。

4・自律神経のバランスが崩れる

カフェインは交感神経に作用するので、日常的に摂取し続けると心拍数が増加したり血圧上昇したりします。
これらの症状が続くということは、体がずっと興奮状態になるということ。

体がうまくリラックスできなくなると、自律神経のバランスが崩れて心身ともに不調が続くことも考えられます。

5・胎児への影響

過剰なカフェイン摂取をすると、母体の胎盤を通過する血流を低下させる可能性があります。
血流が低下すると、胎児に良くない影響が出る可能性も。

頭痛とカフェインの関係

ところで、カフェインには頭痛抑制作用があることをご存知でしょうか。

カフェインが持つ「血管を収縮させる働き」で、脳の血管膨張が原因で引き起こされる頭痛を緩和することができるのです。
この作用を利用して、市販の頭痛薬には無水カフェインという成分が配合されているケースも!
(※血管収縮だけではなく、眠気抑制効果を狙った市販薬もあります)。

しかし、頭痛が抑えられるからとカフェインを過剰摂取し続けていると、今度はカフェイン依存症になってしまう可能性があります。
また、自分でも気が付かないうちにカフェイン依存症になっている方が急にカフェインを断つと、離脱症状で酷い頭痛にあうかもしれません。

 

依存症や離脱症状に悩まされないように、頭痛をお持ちの方は少しずつカフェイン摂取量を抑えるとよいかもしれません。
カフェインに頼らずに頭痛を抑えたいのであれば、頭痛外来を利用するという選択肢もあります。
頭痛外来などで処方される頭痛薬には通常、カフェインは配合されていません。

そのようなカフェインに依存しない治療法を積極的に試すのもよいでしょう。

疲労感とカフェイン依存症のメカニズム

では、どうしてカフェインに依存性があるのでしょうか?その仕組みについてご説明します。

カフェインには、疲労感の原因となる「アデノシン」と「アデノシン受容体」の結合を防いで疲労を感じにくくさせる作用があるのですが、カフェイン摂取を繰り返していると、少量のカフェインでは疲労感が防げなくなり、どんどんカフェイン摂取量が増えていくことがあります。
これが、カフェイン依存症・カフェイン中毒の正体であり、メカニズムです。

そもそも神経に作用しやすいものは依存性があるので、交感神経に作用するカフェインに依存性があるのは自然なのです。

カフェインを抜くことで得られる3つのメリット

日常的にカフェインを摂取していた方がカフェインを断つと、それまでカフェインで抑えていた頭痛・疲労感が溢れ出て“しんどくなる”可能性があります。

しかし、長期的な目線で考えてみると、カフェインを控えることで以下のようなメリットが得られるでしょう。

 

・カフェインに頼らず、適切に疲労に対処することができるようになる

・夜の睡眠の質が向上して日中の集中力があがる

・冒頭で述べた5つのカフェインの悪影響を軽減できる

 

しかし、依存している“何か”を急に断つと「イライラ」といった症状が現れることが多々あるので2週間程度をかけてゆっくりと体を慣らしていくことをおすすめします。

朝・昼・夕にコーヒーを飲む習慣がある方は、まずは夕方の1杯を減らしてみるなど“徐々に”がポイント。
カフェインの影響は4.5時間~7時間で半減するので、就寝時間を逆算して「寝る時間から7時間前は飲まない」といった工夫もいいでしょう

カフェインの作用が少ない飲みもの

紅茶や緑茶にもカフェインが含まれていますが、コーヒーよりもカフェインの作用は少ないといわれています。

ものによっては紅茶・緑茶のほうがカフェインを多く含んでいることもあるのですが、これらに含まれているタンニンには、カフェインと結合をしてその作用を低下させる働きがあります。

デカフェコーヒーに潜む「落とし穴」、知ってた?

ところで、最近流行りの「デカフェ(ディカフェ)」の飲物について。

デカフェとは、“本来はカフェインを含んでいる原材料”からカフェインを取り除いたものを指す言葉です。

デカフェコーヒーはカフェイン制限中の方や妊婦さんもコーヒーの風味を楽しめるありがたいアイテムですが、「どうやってコーヒー豆からカフェインが取り除かれているか」を考えたことはありますか?

実は、コーヒー豆からカフェインを取り除く方法は大きく分けて2つあります。

 

1・薬品を使った除去方法

2・薬品を使わず、水や二酸化炭素で除去する方法

 

言わずもがな、安全性が高いのは「2・薬品を使わず、水や二酸化炭素で除去する方法」で作られたデカフェコーヒーです。

コーヒーに限らず、せっかく健康のためにデカフェ製品を楽しむのであれば、こういったカフェイン除去方法にも着目して、ぜひ体に優しい製品を摂っていただきたいところ。
商品の明細を見れば、どのようにカフェインが除去されているかチェックできることもあるので、確認してみてくださいね。

 

なお、欧米ではカフェイン含有量がコーヒー豆中の0.2%以下(インスタント・コーヒーで0.3%以下)のもののみデカフェ製品として認められていますが、日本では厳密な規定はありません。

※カフェインの除去方法は上記2種類以外にも存在します。

まとめ

今回ご紹介したカフェインの作用は一例であり、さらに個人差もあります。

また、今回はカフェインのネガティブな影響をメインにご紹介しましたが、ポジティブな作用もあります。

血管を収縮させて頭痛を抑制するだけではなく、中枢神経に作用して眠気を抑えたり、血流を良くして筋肉から疲労物質である乳酸を体内に溜まりにくくしたり。

 

大切なのは

「自分がどれだけカフェインを摂取しているかを意識する」

「カフェインがどういった作用をしているか理解する」

この2点です。

 

今度カフェインを摂るときは、是非この記事の知識を思い出してみてくださいね。

【監修】

上嶋 弾 先生

上嶋 弾 先生 上嶋内科・消化器科クリニック

京都大学医学部卒。京都大学医学部附属病院内科、北野病院内科、三菱京都病院消化器内科の研修後、「北野病院 消化器内科 副部長」「阪和住吉総合病院 消化器センター 部長」などを経て2015年に上嶋内科消化器科クリニックを開設。豊富な経験と消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医など、さまざまな専門性を活かした高いレベルの医療サービスを提供している。

 

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