ヘルスケア

生活習慣病や老眼、むくみなど、年齢によって変化するカラダに関するカテゴリです。
生活習慣の改善など、トラブルの予防と対策を提案します。

知っていますか?男性にもある「更年期」

更年期というと女性に特有のものと思いがちですが、男性にも「男性更年期」が起こるケースがあります。症状や原因、対処法を知っておきましょう。

男性更年期の症状はこんなところに表れる!

[心]イライラ/不安・パニック/抑うつ(気分の落ち込み)/不眠/興味や意欲の喪失/集中力・記憶力の低下

[体]関節痛・筋肉痛/発汗・ほてり/疲れやすい/肥満・メタボリックシンドローム/頻尿

[性機能]性欲低下/勃起力低下

社会活動とかかわりが深い「男性更年期」

近年、40代以降の男性に、女性の更年期と同様の症状の「男性更年期」があることが分かってきました。ただし、女性と男性では症状が起こるしくみが異なります。女性は閉経が近づくと女性ホルモンの分泌が急減し、更年期症状が表れます。これはそもそも遺伝子にプログラムされている正常な変化です。

一方、男性の更年期症状の発症には、社会活動が深くかかわっています。仕事がうまくいっていないときや定年で社会活動から離れたようなときに男性ホルモンの分泌が減少し、発汗、肥満、無気力、不安などの症状が表れることがあるのです。なんとなく感じていた疲れの原因が、「男性更年期」だったということも少なくありません。

特に最近は、更年期に悩む男性が増える傾向に。昔に比べ、インターネットやパソコンの普及で求められる業務の質が上がり、長時間勤務を強いられている人も多いからです。

症状がひどくなると、うつ病などの疾患と間違われ、休職につながることも。本人や周囲の人が「様子が違う」「元気がない」と感じるときは、早めに対策を考えましょう。

仕事のストレスが増える40代以降に急増

男性更年期を発症しやすい年代は、40代から60代にかけて。管理職として仕事のストレスが高まる責任世代から、定年で職場を離れる頃までの、社会活動に変化がある時期と重なります。

お父さんにこんな変化があったら、要注意

・笑わなくなった

・よく眠れないようだ

・太った(ズボンがきつくなった)

・会社のことなどを話さなくなった

・怒りっぽくなった

・何事もおっくうがる(趣味としていたことをしなくなった、新聞を読まなくなった など)

男性ホルモンが心と体の元気をつくる!
心身の健康に不可欠な男性ホルモンの働き

男性ホルモンは、社会の中で自己主張する、目標を遂行するといった社会活動を活発にする働きがあります。さらに動脈硬化を防ぐ、体脂肪を減らすなどの生活習慣病予防や、認知機能を高める作用もあります。まさに心と体を元気に保つために不可欠なホルモンです。

また男性ホルモンの分泌量は個人差がありますが、生活の工夫でも、分泌量を増やすことができます。年齢を理由に諦める必要はありません。

中高年女性が元気なのは男性ホルモンの働き!?

男性ホルモンは女性の体でも分泌されています。特に閉経後は女性ホルモンの分泌が少なくなり、相対的に男性ホルモンの働きがアップ。そのため閉経後の女性は、中高年になって元気がなくなる男性とは対照的に、積極的に外に出るなど活動的になる傾向があります。

男性ホルモンは全身に作用する

[脳に働く作用]記憶力、認知力を高める/公平な判断力を高める/行動力のアップ/うつの予防

男性ホルモンは記憶をつかさどる脳の海馬からも分泌され、記憶力や判断力、社会性などを高めます。

[筋肉などに働く作用]筋肉量を増やす/骨量を増やす/運動器症候群を予防

太く強い筋肉をつくります。反対に、運動不足で筋肉が少なくなると男性ホルモン分泌も減少。

[血管・脂肪などに働く作用]動脈硬化を予防/心臓血管障害を予防/脳梗塞などを予防/体脂肪率を低下させる

男性ホルモンは血管を柔軟に保つNO(一酸化窒素)を増加。脂質の代謝にも働き、動脈硬化や血管障害を防ぎます。メタボ予防にも。

[生殖機能に働く作用]男らしい体をつくる/勃起力を維持する/精子の数を増やす

勃起力や精子数など、男性の生殖機能を高めます。男性ホルモン減少はED(勃起不全)の原因にも。

堀江式
「楽しみ」や「触れ合い」が鍵
男性ホルモンをアップさせる5カ条

日常生活の中で男性ホルモンを増やす方法を堀江先生が指導。できることから挑戦を!

[その1]肉と油を適度にとる。過度の糖質制限は×

男性ホルモンはコレステロール(脂質)から作られますし、筋肉を保つにはたんぱく質も重要。肉や魚、卵などのたんぱく源や油脂を適度にとりましょう。過度の糖質制限は男性ホルモンを減らす可能性があるのでご注意を。

[その2]友人との交流や、趣味の時間を楽しむ

生活の中で「楽しい時間」をもつことが、男性ホルモンの分泌を増やします。気を許せる仲間と集って話をしたり、スポーツや趣味を楽しむのもおすすめ。一人でも好きなことに没頭して過ごせば、良いリフレッシュに。

[その3]散歩や洗車などでこまめに体を動かす

運動で体を動かすことも大切。運動といっても、必ずしも筋トレやジョギングでなくてもOK。犬の散歩、ストレッチ、拭き掃除、洗車など、日常生活でこまめに体を動かせば、男性ホルモンアップに効果的。

[その4]家族や身近な人とスキンシップを

妻と手をつないで歩く、子どもとキャッチボールをするなど、家族と積極的に触れ合いましょう。それだけで男性更年期が治る例もあります。

[その5]ぐっすり眠り心身の疲労を回復

男性ホルモンは睡眠中に作られるため、睡眠不足は大敵。就寝前のテレビ視聴やスマホチェックを避け、早寝早起きを。

男性ホルモンをUPする作用が確認された食材も

“精のつく”食品といわれるヤマイモは、男性ホルモンのもととなるDHEAを増やす作用が確認されています。またマレーシアの滋養強壮剤といわれるトンカットアリも、動物やヒトの臨床試験で作用が確認されています。

ヤマイモ

ジオスゲニン、ムチンやアルギニン、亜鉛などの成分が性ホルモンに作用します。

トンカットアリ

別名マレーシア人参。エキスパウダーを含むサプリメントもあります。

こんなときは病院へ

心身が不調でつらいときや、ほかの診療科の治療で回復が見られないような場合、病院の泌尿器科や男性更年期外来を受診しましょう。簡単な生活指導で改善する例もありますし、必要ならばホルモン補充療法を行うこともあります。

監修

堀江 重郎

堀江 重郎 順天堂大学大学院 医学研究科 泌尿器外科学 教授

専門は泌尿器一般、泌尿器外科手術、男性医学など。日本初のメンズヘルス外来を開設。『うつかな?と思ったら男性更年期を疑いなさい』(東洋経済新報社)など著書多数。

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