ヘルスケア

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太る要因にもなる?糖質依存のセルフチェックと糖質制限の方法

食事を済ませたばかりなのに、すぐに口さみしくなってスナック菓子を食べたり、ちょっとしたことでもイライラしたりすることはありませんか。その原因は、「糖質依存症」にあるかもしれません。今回は、太る要因にもなる糖質依存をセルフチェックする方法と、糖質依存にならないための糖質制限食の取り入れ方などをご紹介します。

糖質依存のセルフチェック方法

糖質依存の傾向があるかどうかは、下記の項目をチェックすることで簡易的に見分けることができます。

【糖質依存セルフチェック】

①食べることばかり考える。

②食事で満足感が得られない。食後2~3時間でまた何か食べたくなる。

③疲労感が常にある。

④原因不明の不安や怒りを覚えることがある。

⑤感情が高ぶりやすい。

⑥肥満がある。

⑦高インスリン血症がある。

 

この項目が多く当てはまるほど「糖質依存症」の可能性があります。

特に4個以上当てはまる方や、②・⑦に当てはまる方は注意しましょう。

そもそも糖質依存とは?

糖質依存とは「糖質を摂りすぎることで、もっとたくさんの糖質が欲しくなってしまう依存状態のこと」をさします。この糖質依存は、必要以上のインスリンが出てしまう体質の方がなりやすいといわれています。

糖質をとって血糖値が上がると、すい臓からインスリンというホルモンが分泌されて、血糖値を下げます。このインスリンが過剰分泌されると、食後すぐに空腹になってしまい、さらに糖質を食べてしまうという悪循環に陥ります。

単純な食べすぎにもつながるため、糖質依存症の人は肥満になりやすい傾向が見られます。また、血糖値が乱高下するため、心理的にも不安定になりやすく、イライラや眠気、動悸、手の震え、冷汗などの症状が現れることがあります。

日本では糖質依存症は一般的ではないので、医療機関を受診しても治療を受けられないことがあります。しかし、緩やかな糖質制限食を実践すれば、徐々に糖質依存症から脱却できることもあります。

糖質制限食の取り入れ方

糖質依存症が疑われる場合は「摂取する糖質のグラム数を制限」するのが主な症状改善の方法です。 4つの段階に分けた糖質制限の方法を紹介します。

1.スーパー糖質制限食

【糖質制限のタイミング:朝食+昼食+夕食〈1日3食、ごはんなどの主食を抜く〉】

主食のほか糖質の多い食材(麺、パン、イモ類、根菜、果物、スイーツなど)や砂糖の多い調味料(ソースやポン酢など)も制限します。糖質の摂取量は、1食あたり20g以下とし、1日30〜60gを目標にします。

糖尿病の食事療法向きの方法で、最も効果がはやく確実に現れます。ダイエットやメタボ対策の目的でも、はじめにスーパー糖質制限食をすることで、脂肪を燃焼しやすい体質へ変えることができます。適正体重になったら、スタンダード糖質制限食かプチ糖質制限食に切り替えてもよいです。高雄病院のスーパー糖質制限食では、1回の食事の糖質量を20g以下にしています。

 

●献立例●
うどんをこんにゃく麺などの糖質ゼロの麺に置き換える、デザートをフルーツからナッツに置き換えることで糖質を
39g以上減らせます!

 

2.スタンダード糖質制限食

【糖質制限のタイミング:「朝食 または 昼食」+夕食〈1日のうち2食は主食を抜く〉】

1日の糖質の摂取量は、70〜100gを目標にします。1食だけ主食を食べることができますが、できれば主食は少量のほうが好ましいです。会社員などは、昼食で糖質制限をするのに苦労するため、このスタンダードの方法なら実践しやすいでしょう。

 

●献立例●
ロールパンを低糖質パンに変えると糖質は25g以上減らせます!

 

3.プチ糖質制限食

【糖質制限のタイミング:夕食〈夕食だけ主食なし〉】

1日の糖質の摂取量は、110〜140gを目標にします。糖質を1食抜くだけの軽い制限なので、糖尿病の食事療法には不向きです。「スーパー糖質制限食」でダイエットに成功した後に、体型を維持する場合に適しています。

 

●献立例●
ごはんを無しにしてその分おかずを1品追加すると、糖質は32g以上減らせます!

 

4.緩やかな糖質制限食

【糖質制限のタイミング:全食事で緩やかに制限】

 

ダイエットや糖尿病発症予防に、3食ともある程度糖質を摂取するけれど、その量を緩やかに制限するというパターンです。1回の食事の糖質量は40g以下、1日の糖質の摂取量は120gくらいを目標に、主食や糖質の多い食材を制限します。「緩やかな糖質制限食」はハードルが低いため、比較的長く続けることが可能です。ただし、既に糖尿病を発症している場合は、食後高血糖を生じるので奨められません。

糖質の摂取量が少なければ、インスリンの分泌も少量で済み、血糖値の乱高下も生じません。糖質依存や血糖値の乱高下を抑えるには、普段の食事で糖質を制限するのが近道です。

 

以下の表では一般的な食べ物の糖質量をご紹介します。糖質が多い・少ないにカテゴリー分けしているので、普段の食事の際に参考にしてみてくださいね。

糖質量の多い食べ物・少ない食べ物

糖質量の多い食べ物の例

ごはん(白米)茶碗1杯(150g)        糖質55.2g
食パン(6枚切1枚 60g)         糖質26.6g
メロンパン1個(100g)          糖質58.2g
かけうどん(めん250g)               糖質58.5g
冷やしそば(ざるそば めん170g)    糖質44.6g
しょうゆラーメン(めん230g)        糖質60.1g
ナポリタン(めん250g)         糖質86.8g
スパゲッティ(乾)1食分(100g)     糖質71.2g
かぼちゃの煮つけ(かぼちゃ100g)    糖質24g
じゃがいも1個(110g)            糖質16.1g
バナナ1本(220g)             糖質28.2g
果汁100%オレンジジュース1杯(200ml)  糖質21.4g

 

糖質量の少ない食べ物の例

冷奴(豆腐100g)         糖質1.8g
牛サーロイン(175g)     糖質0.7g
サーモン刺身 4切れ(40g)    糖質0.6g
あさりバター (あさり125g)   糖質1.6g
鶏の唐揚げ3個(肉90g)    糖質4.2g
焼き鳥▼
鶏もも串(塩、肉25g)     糖質0g
豚ばら串(塩、肉30g)     糖質0g
納豆 50g           糖質2.7g
アーモンド(乾)10g       糖質1.1g
ゆで卵(卵50g)        糖質0.2g
プロセスチーズ 20g      糖質0.3g
アボガド 1個(235g)       糖質1.5g
ぶなしめじ 20g               糖質0.3g
オリーブ油・バター・ごま油・サラダ油 いずれも糖質0g

 

※引用元:増補新版 食品別糖質量ハンドブック(洋泉社)

 

※糖質制限食実践時のご注意※
・糖尿病の方で経口血糖降下剤の内服やインスリン注射をしている場合は、低血糖の心配があるため、必ず医師と相談してください。
・診断基準を満たすすい炎がある場合や肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食が適応となりません。
・腎機能低下のある人は必ず医師に相談してください。

まとめ

糖質依存にならないためには、緩やかでもいいので糖質制限食を実践することが大切です。

前述した「緩やかな糖質制限食」なら、1回の食事の糖質量は40gくらい摂取しても問題ありません。「スーパー糖質制限食」を実践し続けるのも勿論OKですが、ハードルの低い「緩やかな糖質制限食」なら比較的容易に長く続けられるでしょう。糖質制限食を実践しながら、糖の吸収を抑えるサプリなどを併用してもよいかもしれません。

 

また、「糖質制限食」を実践する際気を付けたいこととして、主食などを単純に減らすだけだと、活動に必要なエネルギー(カロリー)不足になる場合があります。そうならないため、肉や魚、卵など、糖質が低い食品はいつも以上にしっかり摂り、エネルギー不足にならないように心掛けましょう。

監修プロフィール

江部 康二 (エベ コウジ)

江部 康二 (エベ コウジ) 内科医/漢方医/一般財団法人高雄病院理事長/一般社団法人日本糖質制限医療推進協会理事長

1950年生まれ。1974年京都大学医学部卒業。1974年から京都大学胸部疾患研究所第一内科(現在京大呼吸器内科)にて呼吸器科を学ぶ。1978年から高雄病院に医局長として勤務。1996年副院長就任。1999年高雄病院に糖質制限食導入。2000年理事長就任。2001年から糖質制限食に本格的に取り組む。2002年に自ら糖尿病であると気づいて以来、さらに糖尿病治療の研究に力を 注ぎ、「糖質制限食」の体系を確立。これにより自身の糖尿病を克服。

近著に『外食でやせる!「糖質オフ」で食べても飲んでも太らない体を手に入れる』2017年(毎日新聞出版)、『江部康二の糖質制限革命』2017年(東洋経済新報社)など。

 

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