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乱視で眼精疲労が悪化する?眼科医に教わる乱視矯正・疲労予防方法

眼精疲労の中には、乱視によって悪化するものもあります。

今回は乱視と眼精疲労の概要、そして乱視が眼精疲労に影響する原因・乱視を進行させる生活習慣などについて、眼科医の後藤聡先生に教えていただきます。

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乱視とは? 
眼精疲労の症状
眼精疲労の原因と乱視との関係
乱視を矯正するときの注意点
乱視矯正で眼精疲労を防ぐポイント
まとめ

乱視とは?

瞳の角膜や水晶体にゆがみがあると、眼に映る物がぼやけたり二重に見えたりします。このような眼の状態を「乱視」と呼びます。乱視にはメガネなどで矯正が可能な「正乱視」と、角膜の病気が原因の「不正乱視」があります

一般的に乱視と呼ばれるものは「正乱視」のことを指します。正乱視はゆがみの方向(厳密には乱視の軸の方向)によって「直乱視」「倒乱視」「斜乱視」の3タイプに分けられます。3タイプのうち最も多いのは直乱視です。

「直乱視」
縦方向につぶれるようにゆがんで見える方は、直乱視が考えられます

「倒乱視」
横方向にゆがんで見える方は、倒乱視のであることが考えられます

「斜乱視」
斜め方向にゆがんで見える方は、斜乱視であることが考えられます

なお、乱視は加齢によって水晶体が固くなることで進行することもあります。
次に、眼精疲労になるとどのような症状が現れるのかをご説明します。

眼精疲労の症状

眼の疲れや眼の痛みなどが長く続く状態を眼精疲労と言います。
眼の疲れなどを感じたとしても、短時間で解消されるようであれば眼精疲労ではありません。眼精疲労の症状は眼に現れるだけでなく、ときに身体に現れるものもあります。
主な症状は下記のようなものです。

<眼の症状>

  • 眼が疲れる
  • ぼやける
  • かすむ
  • 眼が痛い
  • 充血する
  • 眼が重い
  • しょぼしょぼする
  • まぶしい
  • 涙が出る

など……

<身体の症状>

  • 肩こり
  • けん怠感
  • 頭痛
  • めまい
  • 吐き気

など……

眼精疲労は十分な眼の休息をとれば自然に治りますが、上記のような症状が続く場合は適切な治療が必要です。

眼精疲労の原因と乱視との関係

現代人の眼精疲労の原因は、パソコンやスマホなどでの作業を休みなく長時間行って眼を酷使することです。さらにメガネやコンタクトレンズの矯正不良も原因になります。もちろん、乱視もきちんと矯正されていないと眼精疲労を引き起こします。

眼精疲労を起こさない、進行させないためには、乱視を適切に矯正することが重要です。

例えば、誰しもサイズの合っていない靴で1日生活すると疲れますよね。
合わないメガネやコンタクトレンズを使用するのはそれと同じなんです。
適切な度数、それぞれの生活に適した度数に合わせることが大切。

ただし、乱視は近視と違って矯正が難しい側面があります。メガネやコンタクトレンズで矯正するときには注意が必要です。

乱視を矯正するときの注意点

メガネ、コンタクトレンズで乱視を矯正するときのコツを紹介します。

●メガネ

乱視は円柱レンズと球面レンズを組み合わせて矯正します。
矯正後の見え方のほか、メガネが顔の形に合っているか、レンズの中心が瞳孔の位置とあっているかなどにも注意しましょう。

●コンタクトレンズ

ハードコンタクトレンズ、または乱視用ソフトコンタクトレンズで矯正します。付け心地がよく、眼の中で動きにくい安定性のあるレンズを眼科で選びましょう。

【ハードコンタクトレンズ】
コンタクトレンズは眼の中で回転しやすい性質がありますが、ハードコンタクトレンズはソフトコンタクトレンズと比べてレンズが変形しにくく安定性がよいため、乱視の矯正効果が高いのが特徴です。

【ソフトコンタクトレンズ】
「トーリックコンタクトレンズ」という専用のレンズを使用します。
トーリックコンタクトレンズは、眼の中で回転しにくい形状をしています。
ただし乱視用レンズは使用方法に注意が必要ですので、乱視用レンズの正しい使い方を眼科で確認してください。

ソフトコンタクトレンズのメリットは、ハードコンタクトレンズに比べて断然装用感に優れていることです。
両者ともにレンズの開発が進んでいますが、特にソフトコンタクトレンズの開発は盛んで、以前主流であった「P-HEMAポリ2ヒドロキシエチルメタクリレート」よりも酸素透過性、装用感がさらに向上した「シリコンハイドロゲル」のレンズが登場しています。

乱視矯正で眼精疲労を防ぐポイント

乱視の矯正には、一人ひとりの“見え方に対する感覚”が強く影響します。
なぜなら、快適な見え方には個人差があるからです。

乱視の矯正が多すぎても少なすぎてもよくありません。
矯正量が合わないと、イライラする、集中力がなくなるなどの不快な症状が現れます。物がはっきり見えすぎることで、かえって眼が疲れてしまうこともあります。

また、「乱視の入ったメガネに変えたら眼が疲れるようになった」という声を耳にすることがありますが、不快な状態のまま使い続けると、眼精疲労や眼精疲労が進行する原因になるため注意が必要です。

まとめ

乱視を正しく矯正していないと、眼精疲労になることもあるため注意が必要です。

幸いメガネやコンタクトレンズで矯正すれば、眼精疲労の症状が改善していくことがあります。乱視が進行して眼精疲労が悪化しないように、まずは適切に矯正しましょう。

また長期間にわたる眼の疲れは、眼精疲労の進行を加速させます。
「パソコンやスマホ、テレビなどを長時間使用しない」という生活習慣の改善は当然ですが、自己判断はせず眼科医に相談しましょう。

◇監修の先生プロフィール

後藤 聡 先生

後藤 聡 先生

東京慈恵会医科大学医学部卒業、東京慈恵会医科大学大学付属病院にて勤務/日本涙道涙液学会理事、日本眼科学会専門医・専門指導医、日本臨床眼科学会、日本眼科手術学会、医師+(いしぷらす)所属/専門は眼科疾患の中でも涙目の治療です。特に直径1㎜の極小内視鏡を用いた低侵襲手術の発展と開発を行っている。

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