老眼・疲れ目対策

目が疲れやすい、目の調子が悪い。それは老眼の初期症状かも?
老眼やスマホ老眼の基礎知識や、アイケア方法を、専門家がアドバイス。

「これって老眼?」シリーズ①初心者にもわかりやすい『老眼の基礎知識』

「最近、目の疲れがなかなか取れない」
「夕方になると目が見えづらくなる」

1日中、目を酷使していると生じやすいこれらの症状。

単なる眼精疲労だと思っている方が多いかもしれませんが、実はこれらは老眼の初期症状の可能性があります。老眼というと“高齢者がなるもの”と思われがちですが、最近では30代でも老眼になる人が増えているのです。

そこで今回は、全3回にわたって老眼に関する情報をご紹介していきます。
第1回目の今記事では「老眼とは何か」「どんな症状が出るのか」など、老眼の基本情報についてお伝えします。

目次

そもそも老眼ってどんな症状なの?
老眼初期症状では、どんな変化が表れるの?
老眼にまつわるギモンを解決!
 ・老眼は何歳くらいから始まる?
 ・視力がいい人ほど老眼になりやすいって本当?
 ・親から子どもに遺伝はするの?
 ・老眼かどうかは検査でわかるの?
老眼になったらどうすればいい?
 ・見えづらいなと思ったら、無理せずに老眼鏡を
 ・低矯正のコンタクトレンズを作るという手も
 ・メガネ屋に行く前に、まずは眼科へ
・まとめ

そもそも老眼ってどんな症状なの?

「老眼」と聞いて多くの人が想像するのは、小さい文字や近くのものが見えにくくなるなどの症状ではないでしょうか。新聞紙や本・スマホなどを顔からぐっと離して見ている様子を思い浮かべる人も多いと思います。

しかし実は、老眼になると近くだけではなく、近くも遠くも見えにくくなるのです。というのも、老眼とは「加齢によって瞳のピントを調節する力が低下した状態」のこと。そのため、近い・遠いにかかわらず、見たいものを見るために時間がかかるようになります。

通常、瞳は水晶体の上下についている毛様体筋という筋肉をキュッと緊張させることで見たいものにピントを合わせます。

しかし老眼になると、筋肉を緊張させるのに時間を要するため、すぐにピントを合わせられず視界がぼやけてしまうのです

さらに、加齢とともに瞳の水晶体の弾力が失われて硬くなってくることも、老眼の原因となります。水晶体とは、簡単にいえばカメラの凸レンズのようなもの。水晶体は、近くを見るときには分厚く・遠くを見るときは薄くなることによって瞳に入ってくる光の量を調節し、視界をきれいに表示させる働きをしています。

しかし、弾力が失われて硬くなった水晶体は伸縮性に乏しくなるため、厚くなったり薄くなったりがしづらくなります。
そのため、ピントをあわせるのに時間がかかり、視界がぼやけたり見えづらくなるのです。

老眼初期症状では、どんな変化が表れるの?

老眼の初期症状には、次のような項目があげられます。

・夕方になると視界がぼやける

・スマホをパッと見たとき、文字がふわーっとぼやける

・近くのものを見ようとするとき、急に涙がじわーっと出ることがある

・常に目の奥が痛く、重たい感じがする

・パソコンや本・スマホなど近くのものを長時間見ているのが辛く感じる

これらの症状は、眼精疲労でも表れるものです。
しかし、眼精疲労の場合、しばらく目をつむったり一晩ゆっくり寝たりして目を休ませれば回復することがほとんど。

このような症状がずっと続く場合は、老眼が始まっている可能性があります。

老眼にまつわる疑問を解決!

・老眼は何歳くらいから始まる?

最近では、30代後半で老眼の初期症状を感じ始める人が増えています。この原因のひとつは、パソコンやスマホを長時間見る機会が増えたことにあります。

長時間同じ一点を見つめていると毛様体筋が衰えやすくなり、さらにブルーライトの影響も受けるため、30代という早い段階でも老眼が進行することがあります。

 

・視力がいい人ほど老眼になりやすいって本当?

視力がいい人(=遠視の人)は、視力が悪い人(=近視の人)に比べて、近くのものにピントを合わせるときに毛様体筋を大きく緊張させています。
そのため、毛様体筋が衰えているとそれだけピントを合わせるのに時間がかかるようになり、老眼を自覚しやすくなります。

また、遠視の人が老眼になると、近くを見る視力が下がるだけでなく、遠くを見る視力も下がることが多い傾向があります。

 

・親から子どもに遺伝はするの?

「老眼になる・ならない」に、遺伝性はありません。
ただし、近視や遠視・乱視は眼球の形状によって決まり、眼球の形状には遺伝要素が強く表れます。項で説明したように遠視の人は老眼になりやすい傾向があるため、そういった意味では老眼と遺伝は無関係だとも言えません。

 

・老眼かどうかは検査でわかるの?

“老眼かどうかを調べるための検査”というのは特にありません。視力検査をしても、老眼かどうかはなかなかわからないのです。

というのも、老眼は単純に視力が落ちるものではないため、日常生活では見えづらさを感じるものの、視力検査ではそれなりの視力が出る人も大勢います。
ですから、老眼かどうかを知るためには、まずは体感での自己判断が必要になります。

老眼になったらどうすればいい?

初期の老眼症状では、ピントを合わせるのに少し時間はかかるものの、時間を使えば普通に見えるようになります。
しかし、老眼が進行すると、時間をかけてもなかなかピントが合わず、終始視界がぼやけて見えづらい状態に。
日常生活にも支障をきたすような場合には、老眼鏡やコンタクトレンズなどの道具の力を借りて視力を補うことが必要になります。

 

・見えづらいなと思ったら、無理せずに老眼鏡を

最も手軽な老眼矯正の方法は、老眼鏡をかけることです。
“老眼鏡”というとなんだか大げさに感じるかもしれません。
しかし、老眼鏡とは“近くをよく見えるように度数を矯正したメガネ”のことを指しますので、抵抗感を持つ必要はありません。

ブルーライトカットのメガネをかけるのと同じ感覚で、手元が見えづらいときやパソコン作業をするときにサッとかけましょう。

 

・メガネ屋に行く前に、まずは眼科へ

なお、老眼鏡を作る際にはメガネ屋さんに直接行くより、まずは眼科での検診や相談をおすすめします。
メガネ屋さんでは、“しっかり見える度数”の老眼鏡を作ることはできますが、一人ひとりの老眼の状態に合わせた最適なレンズを用意するのは難しいかもしれません。

眼科であれば、一人ひとりの老眼の状態をチェックしたうえで、老眼鏡の用途や使用する状況・使用頻度などに合わせて、“見たいものを見えるようにするための度数”の老眼鏡を処方することが可能です。

 

・低矯正のコンタクトレンズを作るという手も

「近視矯正のコンタクトレンズをしていて、遠くは見えるけど近くのものが見づらい・パソコン作業をするときに目が疲れる」という方は、今までのレンズとは別に、近くを見るときやパソコン作業用に使う低矯正レンズを用意しましょう。

低矯正のレンズを使うことで、パソコン作業やスマホ操作が楽になるばかりでなく、偏頭痛や肩こりが改善する方もいらっしゃいます。

なお、低矯正レンズとしてどのくらいの度数が最適かについては、パソコンでの作業時間やパソコンとの距離、室内の明るさなどによって異なります。
気になる方は眼科で度数調整をしてみましょう。

まとめ

長時間のオフィスワークやパソコン作業・スマホ使用などによって、30代でも老眼の初期症状を感じる人が増えています。

老眼の症状が始まって近くが見えづらい・目が疲れやすいのを放置していると、瞳のピント調整力が低下しさらに老眼を助長させてしまうおそれもあります。
無理をせずに老眼鏡や低矯正コンタクトレンズの使用を検討してみてください。

 

また、症状を進行させないためには、できるだけ早いうちから予防対策を講じることが大切です。
既に老眼の兆しが現れている場合でも、対処次第では改善の余地があります。

 

次記事では、老眼を進行させるNG習慣をピックアップするとともに、日常生活でできる老眼の予防改善対策をご紹介します。ぜひあわせて読んでみてくださいね。

関連記事:「「これって老眼?」シリーズ②老眼を進行させるNG習慣とは?」

関連記事:「「これって老眼?」シリーズ③老眼を予防・改善してくれる食べ物・食生活で気をつけるポイントについて」

【監修】

野﨑 真世

野﨑 真世 医療法人涼悠会・梅北眼科

大阪のグランフロントに構える医療法人涼悠会・梅北眼科の眼科医師。

眼科一般診療をはじめ、白内障・緑内障などの定期検査・網膜裂孔や糖尿病網膜症に対するレーザー治療・メガネやコンタクトレンズ処方、さらに一部形成外科手術などを行う。子どもの治療にも力を入れており、近視進行予防についての提案もしている。

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