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ファスティング(断食)はダイエットに良い?医師に教わるファスティングの効果・危険性

断食を意味する「ファスティング」

ファスティングはアメリカやドイツ・ロシアなどの医療機関で「断食療法」として治療に用いられています。近年は体質改善や美容効果などを期待して、ファスティングを生活に取り入れる一般の方も増えています。

しかし、果たしてファスティングは本当にダイエット効果があるのでしょうか?

今回はファスティングの効果や危険性について、医師の蘆田英珠先生に医学的見解を教えていただきました。

 

目次✍

■ファスティングとは?
■ファスティングの持つ8つの効果
■ファスティングはダイエットに向いている?
■基本的なファスティングの手順
■ファスティングの危険性って?体への影響と対策法
■まとめ

ファスティングとは?

ファスティングとは、断食をして体質改善を目指す健康法のひとつ。
ファスティングをするとデトックスが進み、体調が整う効果が期待できます。

「断食」と言っても食事や水を全く摂らないわけではありません。一般的なファスティング期間中は、固形物を摂らない代わりにスープや酵素ドリンクなどで最低限のエネルギーを補います

ファスティング中に摂取する食材のポイントは、「ミネラルがしっかり入っているもの」と「添加物が入っていないもの」です。糖質やカロリーをある程度摂ると、ファスティングが楽にできるようになります。

ファスティングの持つ8つの効果

ファスティングは、体にさまざまな良い影響を与えます。
ファスティングによってどのような効果が期待できるのかを、ダイエットのみにこだわらず8つご紹介します。

※以下にご紹介する効果は個人差があり、必ずしも効果が起こると言い切れるものではありません。

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効果①デトックス

ファスティングをして空腹になると、「モチリン」というホルモン成分が働きます。モチリンは、胃や小腸に溜まった老廃物や毒素を押し出して体内をデトックスする働きを促します。

 

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効果②脂肪燃焼

生命活動のエネルギー源である食べ物が体内に入ってこないと、体は血液中のグルコースをエネルギーとして使い始めます。
その血液中のグルコースもなくなると、脂肪(脂肪酸)や筋肉(タンパク質)がエネルギーとして活用され、脂肪が燃焼され始めます。

「ファスティングには脂肪燃焼効果がある」と言われているのは、このような体の仕組みがあるからです。
ただし、燃焼効率を良くするためにはマグネシウムやビタミBの摂取も必要だということを覚えておきましょう。

 

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効果③内臓の働きの改善

暴飲暴食をすると胃腸の働きが低下し、適切に消化・吸収・排泄がされなくなります。ファスティングで胃腸機能を休ませると、胃腸の働きが改善・正常化する効果が期待できます。

 

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効果④便秘解消

ファスティングで腸内の老廃物を排出する働きが増すと、便秘が解消されることがあります。
悪玉菌やカビの餌になるような砂糖や、炎症の原因になる場合がある小麦などが腸内に入らないことも、便秘解消にプラスの作用をします。
こういったメリットは、腸に3日以上食べ物が入らないことで効果が増すと言われています。

 

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効果⑤集中力アップ

ファスティングで脂肪が燃焼され始めると「ケトン体」というエネルギー物質が多く作られます。
ケトン体が脳内に入ると、安静効果の高いα波の分泌量が増えて、脳がリラックスした状態になります。
脳がリラックスすると、集中力が高まります。

 

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効果⑥ミトコンドリア活性化

私たちの活動に必要なエネルギーのほとんどを作っている「ミトコンドリア」をご存知でしょうか?
このミトコンドリアは身体的ストレスを受けることで活性化すると言われています。例えば寒さを感じたり、息切れするくらいの運動をしたりすることで活性化します。
ファスティングも同じで、空腹を感じることで体がストレスを感じると、ミトコンドリアが活性化します。ミトコンドリアが活性化すると、エネルギーの産出が促されて「元気な体」になることができます。

 

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効果⑦体内のタンパク質が新しくなる

体内では常に、古くなったタンパク質や出来損ないのタンパク質を壊して、新しいタンパク質を作る作用がはたらいています。これをオートファジーといいます。ファスティング中は、オートファジーがさらに活性化されます。

 

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効果⑧油の入替え

細胞膜の70%は脂質で占められています。この脂質が酸化し、有害物質が溜まると細胞は不調に陥ります。ファスティングをして体がエネルギー不足になると、この余分な脂肪を消費することができるので、体調を整える効果が期待できます。
また、酸化した脂肪がなくなったところに、体にとって良い油を入れてあげると”油の入替え”ができます。
ファスティングの前後に、亜麻仁油やインカインチオイルに代表されるオメガ3系の脂肪酸を含んだ食品を意識して摂ると良いでしょう。

ファスティングはダイエットに向いている?

ファスティングには減量効果があります。
しかし、ファスティングをすれば良いというわけではなく、ファスティング前後の食事(特に回復食)で何を食べるかがとても重要になります。

また、ファスティング中も必要な栄養素を摂りながら計画的に行うことが、ファスティングダイエットを成功させる秘訣。後述する手順を参考に、正しく行いましょう。

なかには1カ月にもおよぶファスティングに挑戦している人もいますが、初心者が独自にファスティングをするのであれば2~3日から始めることをおすすめします。短期間でも正しい手順で行えば、多少の減量は叶うかもしれません。

基本的なファスティングの手順

ファスティングは、期間の長さに関わらず準備・断食・回復の3段階で行います。
たとえば週末2日間のファスティングであれば、準備期間:2日~1週間、断食期間:2日、回復期間2日~1週間を目安にしてください。

 

①準備期間

いきなり断食をするのはNGです。
ファスティング中の不快な症状を抑えるために準備期間を設けましょう。

【準備期間の食事】
ファスティング中は解毒作用により腎臓・肝臓に負担がかかるため、準備期間に負担のかからないものを食べて、解毒がスムーズに進むように体を整えることが大切です。

【避けるもの】
砂糖・小麦・乳製品・カフェイン・揚げ物や脂っこいもの・肉・添加物の多い加工食品・インスタント食品・アルコール・大量の薬

【積極的に摂ると良いもの】
発酵食品・食物繊維・良質な水を2リットル(常温か体温ぐらいの温度でこまめに摂る)

【準備期間の日数】
準備期間は、断食をする期間と同じかそれ以上の日数が必要です。
週末2日間の断食を予定しているなら、準備期間は2日から1週間程度をあてましょう。

ふだんからコンビニ食・ファストフード・パン・スイーツ・スナック菓子・薬の摂取が多く、食生活が乱れている方は準備食期間を長めにした方が良いでしょう。また、準備期間中は飲酒は避け、睡眠時間もしっかり確保してください。

②断食期間

断食中は体の流れを滞らせないために、1日2リットルを目安に水分を摂りましょう。
また、ある程度の糖質とカロリーを摂るとファスティングを楽に行えます。糖質は50g程度、摂取カロリーはふだんの25%程度を目安にしましょう。断食期間に摂るものは、ビタミン・ミネラルなどの栄養素をたっぷり含んだ消化吸収の良いスープ、酵素ドリンクなどがおすすめです。

例えば、シンプルな野菜スープはファスティング中にも食べられます。ビーツや大根、さつまいもなどの糖質が高いものよりも、葉野菜などの糖質が低い野菜の使用をおすすめします。さらに消化を高めるために、ミキサーなどでサラサラの状態にすると良いでしょう。

 

【断食期間の日数】
初心者なら2~3日程度をおすすめします。週末2日間であれば無理なく実践できるでしょう。
断食期間はふだん通りに生活しても問題ありません。運動などをしても構いませんが、低血糖には気を付ける必要があります。

 

③回復期間

回復期間は、消化の良いものから少しずつ食べるようにしましょう。
ファスティングをダイエット目的でする場合は、糖質を多く摂りすぎない方が良いため、お粥よりも野菜スープなどを摂りましょう。回復期間のスープは、ミキサーで潰さずに具が入った形でOKです。

【回復期間の日数】
回復期間には、断食期間と同じ日数~1週間程度をあてましょう。
特に回復食の1~2日目には、お粥やご飯などの糖質を控えることをおすすめします。ファスティング後は血糖値が上がりやすい状態で、インスリンの分泌も増えるため、回復食には十分に注意をしましょう。

一方、ファスティングによってインスリンの反応が悪くなる方もいます。細胞に糖を取り込めず高血糖状態が続く方もいますので、血糖値に問題がある方も糖質を少なめにしてください。

 

もともと細身の方やファスティングで体重が減りすぎた方、アスリートの方は、玄米(できれば発酵玄米)や雑穀米の冷や飯を1日目の3食目以降から摂るようにしましょう。

ファスティングの危険性って?体への影響と対策法

ファスティングには良い効果もありますが、食事を摂れないストレスや低血糖などで体調不良を起こす危険性もあります。
ファスティング中や回復期に気をつけたい体調変化と対策法をご紹介します。

 

◆ファスティング中に気をつけたい体調変化

①頭痛や吐き気などの体調不良

ファスティング中は「アセト酢酸」という酸性物質の量が増えるため、体が酸性に傾いて頭痛や吐き気などを感じることがあります。また、低血糖による頭痛やだるさ、震えが起こることもあります。

【対策法】
水分を摂ることで解消されます。
低血糖の場合は酵素ドリンクやミネラル分の多い黒糖などを摂ります。

 

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②便秘

食事の量が減ることで便秘になったり、便が固くなって排便が困難になったりする人もいます。

【対策法】
回復食を始めると自然に出るようになりますが、断食中は1日に2リットル以上を目安にしっかり水分を補給しましょう。

 

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③低血糖

回復期はお砂糖も基本的には摂るべきではありません白砂糖を摂取するとインスリンが大量に出て、血糖値が乱高下します。

低血糖になると、ぼーっとしたり、集中力が欠如したり、頭痛・吐き気・めまいなどが発症します。諸症状が進行すると、昏睡状態になることも。
また、血糖値を上げるために「闘争ホルモン」とも呼ばれるアドレナリンが大量放出されると、イライラしたり攻撃的になったりします。そのほか、砂糖は悪玉菌の餌になることもあるため、腸内環境を崩す原因にもなります。

 

◆回復期に気をつけたい体調変化

④リバウンド

ファスティングによって吸収が良くなっているため、リバウンドすることがあります。

【対策法】
ファスティング後はお粥などの消化の良いものから食べるようにしますが、ダイエットが目的の場合は糖質の高いものは避けた方が良いでしょう。野菜スープから始めて、肉なしサラダ→ボリューム感のあるサラダのように、糖質を控えつつ徐々に量を増やしていくことをおすすめします。

 

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⑤胃のむかつきなどの胃腸障害

回復期にアルコールを大量に摂取すると急性アルコール中毒になったり、コーヒーやスイーツを摂ると、むかむかと気持ち悪くなったりすることがあります。また、揚げ物などで油を一気に摂ると、胃腸障害になることもあるので注意しましょう。

【対策法】
回復期(基本的にはファスティング期間と同じ期間)が終わるまでは、アルコールや過剰な油分の摂取は避けた方が良いでしょう。カフェインには個人差がありますが、回復食期間が終わっても1日1杯までに控えましょう。
それでも夜に眠れないなど体調の変化が出る場合は、やめた方が賢明です。

まとめ

減量効果を期待してファスティングをする方もいますが、ファスティングは正しく行わなければリバウンドしたり体調を崩したりと、逆効果になることもあります。

また、妊婦や16歳以下の子供、通院中の病気がある人、そして栄養状態の悪い人などファスティングができない人もいますので、本格的に行う場合は専門医などに相談しましょう。

 

お伝えしたように、ファスティングを楽に行うには、糖質を摂取しながら行うことがポイントです。糖がなければ脂肪が燃えないので、ある程度(50g程度)の糖質を摂ることをおすすめします。水だけの断食よりもトラブルが少なく、心臓にも負担がかかりにくくなります。
いずれの場合も無理のない範囲で行いましょう。

監修の先生プロフィール

蘆田英珠 先生

蘆田英珠 先生 代官山クリニック院長 / 北里研究所病院美容医学センター / アラガンジャパン認定注入指導専門医 / 代官山サラダ 代表

東京慈恵会医科大学医学部を卒業後、同大学付属病院で臨床研修。
さらに美容皮膚科医として北里研究所病院美容医センターでスキンケア、注入を学ぶ。
同外来で10年以上「何もつけないスキンケア」を指導。
2013年からは注入指導専門医としてドクターにヒアルロン酸ボトックスの注入指導もしている。
美容を専門とするが、内側からのアンチエイジング、予防医学に興味があり分子栄養学を学ぶ。
食の大切さを広めたいという思から2015年に「代官山サラダ」をオープン。
2016年に栄養療法を中心とした代官山クリニックを開設。